1987 Fiscal Year Annual Research Report
製鋼用焼成ドロマイトの冶金物理化学的特性に関する研究
Project/Area Number |
62550493
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
満尾 利晴 熊本大学, 工学部, 教授 (80166058)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
砂山 寛之 熊本大学, 工学部, 助手 (30040413)
河原 正泰 熊本大学, 工学部, 助教授 (60145282)
|
Keywords | 焼成ドロマイトの滓化 / 製錬用ドロマイト / 鉄鋼用ドロマイト / 転炉製錬 / 製錬用フラックス |
Research Abstract |
ドロマイトが石灰石と共に我が国産出, 唯一の鉄鋼製錬用資源であることに着目し, その最適な焼成・使用方法に関し提言することを目標に研究を開始した. 試料として, 北海道(東北日本型), 栃木・岐阜(西南日本準内帯型), 愛媛・大分(西南日本外帯型)産の5種類を選んだ. 1.ドロマイト原石の特徴 (1)結晶粒度:北海道は20〜30μmと細粒であり, 以外は100〜300μmの粗粒である. (2)化学組成:愛媛はSiO_2が6%と高く, MgOは23%と低い. 愛媛以外はMgO31〜34%. 2.焼成ドロマイトの水和性 (焼成条件 900, 1000, 1100, 1200°C, 各2時間) 不純物SiO_2が多く, MgOの低い愛媛以外は900°Cで良好な水和性値が得られるが, 愛媛は1000°C, 焼成によって良好となる. 又, 原石の結晶粒度の小さい北海道は1100, 1200°Cと焼成温度を上げると水和性値の低下が他より著しく, これは走査型電顕観察により, 焼成時の再結晶が早く進むため, 水和性値を悪化しているものと判断される. 3.焼成ドロマイトの溶融スラグへの滓化性 水和性試験で差の見られた北海道と栃木の2銘柄(焼成条件:1000°C, 2時間)について, 1400°Cの溶融スラグ(組成:CaO30%, SiO_230%, FeO40%)への浸漬実験を行なった. 静的浸漬, 回転浸漬(試料回転速度RPM50及び100, 所定時間にスラグをサンプリングし, Ca及びMgの変化量を原子吸光光度法により測定)とも両者間で差は殆んど見られなかった. しかし生石灰の結果と比較すると, 静的浸漬において, 焼成ドロマイトの方がFeOの浸透が極めて著しく, 又, 回転浸漬においてもスラグへの溶解速度が早い結果が得られた.
|