1987 Fiscal Year Annual Research Report
複合添加によるアルミニウムーリチウム合金の機械的性質の改善
Project/Area Number |
62550522
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古城 紀雄 大阪大学, 工学部, 助手 (50029188)
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Keywords | Al-Li合金 / 複合析出 / L1_2型規則構造 / Al-Hf合金 / 急冷凝固 / 高温時効 / 低温時効 / Al-Zr合金 |
Research Abstract |
当該科学研究費補助金の交付を受けて本年度に行った研究の実績についての概要は以下のようである. 1.母合金の溶製 Al-10wt%Hf, Al-10%Si合金を真空中で, Al-10%Li合金をアルゴンガス中で溶解・鋳造して, 母合金を作製した. 2.急冷凝固 各母合金と純アルミニウムおよびシリコンをAl-2.5%Li, Al-2.5%Li-2%Hf-0.3%SiおよびAl-2.5%Li-0.6%Zr-0.3Si合金となるように配合し, それら約10gを赤外線加熱炉内のアルゴン雰囲気中で溶解し, 2.4mm間隙をもつ水冷銅鋳型へ急冷凝固した. この時の凝固速度は約3000K/Sと算出された. 3.時効処理 急冷凝固試料を小片に分割し, アルゴンガス封入したのち, まず773Kの高温で, ついて523Kの低温でそれぞれ種々の時間, 時効した. その結果, Al-Li合金にZr, HrおよびSiを複合添加することで, 著しい時効硬化が示されることがわかった. 4.組織観察 各時効試料を電子顕微鏡により組織観察した. その結果, 低温時効で析出するAl_3Li相は, 高温時効によって析出した準安定のL1_2型規則構造をもつAl_3Zr, またはAl_3Hf相の周りに成長することなどが明らかとなった. これらの複合析出挙動におよぼすCr添加の影響などが次年度で研究される予定である.
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