1987 Fiscal Year Annual Research Report
液体クロマトグラフィーのための汎用的な定性型検出器に関する研究
Project/Area Number |
62550547
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
一瀬 光之尉 京都大学, 工学部, 助教授 (00025917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森下 富士夫 京都大学, 工学部, 助手 (30026281)
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Keywords | LCの定性型検出器 / 相紫外共鳴ラマンスペクトル / イメージインテンシファイヤ / パルスレーザー / Ar-Fエキシマレーザーの狭帯域化 |
Research Abstract |
200nm台での共鳴ラマンスペクトルのパルス計測に関する測定条件の基本的な検討を終え, 現在はAr-F(193nm)エキシマレーザーの狭帯域化の実験を行っている. 62年度の経過は次の通り. (1)コンピューター(LSI-11, DEC社)制御によるKr-F(248nm)エキシマレーザー/分光器/極紫外用イメージインテンシファイア(1830K, ハママツホトニクス)/LCの装置を整備し, ソフトウェアを開発した. (2)テストサンプルとしてアント, ラセン, ピリジン, ビフェニルなどの, 水およびアセトニトリルの希薄溶液を対象に, 流動ジェット状態で測定し, パルス強度, SN比, ジェットの形状などを検討し, 最適の条件で以下の結果が得られた. (3)わずか5mJのたった一発のパルス(パルス幅16ns)で十分に強い共鳴ラマンスペクトルを取得出来ることが明らかになった. 347nm励起の場合と比べた結果, 散乱強度が, 励起波長の逆4乗に比例する法則が有効に作用していることを確認出来た. Ar-F(193nm)エキシマレーザーによる励起では散乱強度自身は一層増大することが期待出来る. (4)ケイ光は, そのスペクトルの出現波長域が散乱スペクトルの観測域から充分長波長測に遠のき, ラマンスペクトルの測定の妨害にならなかった. 短波長励起においては, 振動緩和に加えて溶媒和再配向緩和の増大が作用したためと考えられる. (5)濃厚溶液では励起光および散乱光の, 溶質による自己吸収の効果が著しく, 広い範囲で濃度比例性を保つためには, 後方散乱方式で集光を行なう必要がある. (6)Kr-FやXe-Clの場合と異なってAr-Fの場合は, アークを避け, 安定で広い面積のグロー放電を実現するのは必ずしも容易でなく, 種々の形状の放電電極を検討し18×7mmのレーザービーム断面を実現した. (7)現在エタロンによるAr-Fの狭帯域化の実験を行なっている.
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