1988 Fiscal Year Annual Research Report
近赤外半導体レーザー励起蛍光分析法による生理活性物質の微量分析の研究
Project/Area Number |
62550549
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今坂 藤太郎 九州大学, 工学部, 助教授 (30127980)
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Keywords | 可視半導体レーザー / 蛍光分析 / 微量分析 / 界面活性剤 / タンパク質 / 蛍光標識 / ローダミン色素 / オキサジン色素 |
Research Abstract |
1.近赤外半導体レーザーを光源とする蛍光分析法は、高感度かつ簡便な方法であるが、発振波長が780〜900nmの近赤外域に限られるため、直接分析対象とする試料がほとんどなく、また蛍光標識に利用できる色素も少ないため、適用範囲に制限がある。そこで本研究では780nmで発振する可視半導レーザーを光源とする方法について検討した。 2.まず可視半導体レーザー励起蛍光法の感度について調べるため、ローダミン800の分析について検討したところ、10^<-12>Mレベルまで分析できることがわかった。これは従来の近赤外半導体レーザーを光源とする方法とほぼ同程度の感度である。つぎにこのローダミン800を溶媒抽出蛍光試薬とする界面活性剤の分析について検討した。最適条件について検討したところ、水溶液のpHを5に調整し、m-キシレンに抽出したとき最も良好な結果が得られた。本法によればラウリル硫酸ナトリウムについて10^<-7>Mまで分析可能であった。 3.670nmの深赤色域においてタンパク質を蛍光標識するため、種々の方式について検討した。メチレンブルーを用いて物理吸着によりタンパク質を標識する方法は、水溶液におけるメチレンブルーの溶解度が大きく、比較的簡単で効率よく標識が行えた。しかしながらこの方法は、クロマトグラフの溶離液に用いられている有機溶媒中では解離がおこると考えられるので、共有結合により蛍光標識する方法についても検討した。一級のアミノ基をもつナイルブルー、二級のアミノ基をもつオキサジン750について、ウォーターソルブルカルバジイミド(WSC)を用いてタンパク質のCOOH基と縮合させる方式について検討したところ、後者は反応率は低いものの、吸収極大波長が半導体レーザーの発振波長と一致しているため、より感度が高いことがわかった。本研究の蛍光標識化法は、今後蛍光イムノアッセイ等へも応用できると期待している。
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[Publications] Totaro Imasaka.: Analytica Chimica Acta. 209. 325-329 (1988)
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[Publications] Takashi Okazaki.: Analytica Chimica Acta. 209. 327-331 (1988)
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[Publications] Totaro Imasaka.: Mikrochimica Acta.
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[Publications] Yuji Kawabata.: Analytica Chimica Acta. 208. 255-262 (1988)
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[Publications] Kouichi Ishibashi.: Analytica Chimica Acta.
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[Publications] Totaro Imasaka.: "American Biotechnology Laboratory(Semiconductor Laser Fluorimetry)" International Scientific Communications Inc., 2 (1988)