1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550567
|
Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
尾坂 明義 岡山大学, 工学部, 助教授 (20033409)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 喜一 岡山大学, 工学部, 助手 (50033410)
高田 潤 岡山大学, 工学部, 助教授 (60093259)
三浦 嘉也 岡山大学, 工学部, 教授 (80032952)
|
Keywords | ハロゲン化物イオン / 鉛ホウ酸塩 / 鉛テルル酸塩 / X線光量電子分光 / 電気伝導度 / ラマンスペクトル / 構造 |
Research Abstract |
1.B_2O_3-PbO-PbX_2(X=F,Cl) Fls殻のX線光電子分光スペクトルを測定し、その電子束縛エネルギーの化学シフトを調べた。α-PbF_2結晶を参照物とすると、ガラス中にはBと接合したF(-B)とPbとのみ結合しているF(-Pb)が存在し、PbF_2含有量が増加するとF-Pbが増加することが解った。このことは本系ガラスの電導度が数オーダーも増加することの主因である。同じく、X=Cl系ガラスについては、ラマンスペクトルを検討した所、B-Cl結合は存在せずCl-Pbのみであるが、Cl ^-はF^-よりもかなり大きいため、電導度は比較的小さいことが解った。F系ガラスにAlF_3を添加すると、FはAl(FO)_6なる単位を形成し電導性は低いが、AlF_3含有量が多くなるとAlを含まないガラスとほぼ同程度の電導率を示した。 2.TeO_2-PbO-PbX_2(X=F,Cl) まず本系のガラス化組成域を調べた所、F系はPb(O+F_2)≦20mol%の狭い領域でしかガラス化しないが、Cl系ではPbO/(TeO_2+PbCl_2)≦0.3およびPbCl_2/(TeO_2+PbO)<0.6で囲まれる広いガラス化範囲であった。TeF_4とTeCl_4結晶の構成単位から考えて、FはすべてTe同士を架僑し高い原子充填効率を与えるため結晶化の傾向が強い:しかしClは非架僑Cl_tと長い結合距離の架僑Cl_oの2種類であって充填率が悪くガラス化され易いと推論した。電気伝導度を測定した所、F系ガラスはPbF_2含有量にかかわらずほぼ同じ値であり、Cl系ではPbCl_2含有量と共に数オーダーの増加がみられた。これより、X原子の少ない組成のガラス中では、キャリアは電子または微量のH^+や不純物陽イオンであり、Clが多いとCl^-イオンがキャリアになると推論した。またCl系のラマンスペクトルからはPbCl_2が増加すると、Te構造単位は三方両錐型TeO_4から三方両錐型TeO_3へ変化していくと結論した。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Akiyoshi OSAKA.: Journal of Non-Crystalline Silids. 105. 63-68 (1988)
-
[Publications] WANG Yuhu.: Journal of the American Ceramic Society. 71. 864-868 (1988)
-
[Publications] WANG Yuhu.: Journal of Materials Science Letters. (1988)