1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550574
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
黒川 洋一 東北大学, 工学部, 助教授 (80005298)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 文男 山形大学, 工学部, 助教授 (00007006)
|
Keywords | ゲル / 膜 / ゾル / 有機色素 / 微粒子 |
Research Abstract |
1)Al(iPrO)_3を加水分解、解こうによって得られるアルミナゾルとPVAとの複合体形成について検討した。複合体は極めて透明性がよく。PVA40〜50%の複合体は柔軟性があり燃焼残査物の透明性もよく、吸湿により5倍まで延伸可能であった。複合によっていくぶん最大応力は増加し、PVA含量70%においてピークを示す。ひずみ率は複合によって著しく減少し、PVA含量60%以下では4.5×10^<-2>(kg/mm^2)の値を示すのに対して、PVA40%含量の複合体はその約3倍の値を示す。このように、複合によって弾性係数が大きくなる事、及び、ひずみ率が小さくなる事から、ぜい性が大きくなった事が伺える。 PVA含量と水に対する膨潤度の関係について0.5〜30℃の間で測定を行った。いくぶんバラつきはあるが、各温度においていずれも。PVA含量40%において膨潤度は極小値を示した。 この点について、より定量的な扱いとしてFlory-Huggins式によってPVA/アルミナ間の相互作用を求めるとPVA/アルミナ間の相互作用係数は負を示した。 2)無機塩を出発物質として得られるアルミナゾルと有機色素を用いて、有機色素ドープフイルムの作成とその特性について検討した。水溶性の色素や塩基性の色素は10^<-4>〜10^<-1>mol/lの範囲でほぼ分散でき、疎水性の色素も界面活性剤を用いて分散できた。TYPyPの吸収スペクトル変化からアルミナ媒体のpHは2.5前後と考えられるので、この近辺で錯形成を起こしたり、pKaの大きいPorphine等は光機能性を有さないと予想される。 このように色素を単分子分散させた膜をレーザーで励起すると指方性の強いレーザー発振を起した。Resorufin及びTPPS分散膜は、媒体内のpHが小さいためPHB活性吸収を現さなかった。アンモニアガス中に放置することにより媒体内のpHをあげると活性吸収が生じ、レーザーを照射するとホールが形成した。有機高分子系に比べて昇温によるホール幅の変化は小さく、サイドホールがなかった。このことから、マトリックス媒体が剛性であることが伺われる。
|
-
[Publications] 石山純一、黒川洋一、白川哲朗、今泉真、斎藤正三郎: 日本化学会誌. 1987. 1964-1969 (1987)
-
[Publications] Y.Kurokawa;K.Haneda: J.Polymer Sci.Part C. 25. 369-372 (1987)
-
[Publications] F.Suzuki;Y.Kurokawa;K.Onozato: J.Non-Crys.Solids. 94. 160-162 (1987)
-
[Publications] J.Ishiyama;Y.Kurokawa;T.Shirakawa;S.Inaizumi: Angew,Macromol,Chem.156. 179-185 (1988)