1988 Fiscal Year Annual Research Report
溶融塩型燃料電池用ニッケル電極触媒の新しい方法による高表面積と高機能化
Project/Area Number |
62550575
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
内島 俊雄 筑波大学, 物質工学系, 教授 (30010804)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
国森 公夫 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (60132990)
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Keywords | 電極触媒 / 触媒担体 / 炭化チタン / 炭素繊維 / 化学析出法 / 白金 / ニッケル / 金属分散度 |
Research Abstract |
溶融塩型燃料電池への利用を目指し、熱的・化学的に安定でかつ高い機能をもつ担持金属電極触媒を、新しい方法によって得ようとした。その方法として、TiCl_4/H_2混合気流中で炭素繊維を加熱するCVI(化学析出法)により、繊維表面をTiC被覆する方法を着想し、TiC層の生成条件を詳しく検討した。 それらの中で、活性炭繊維の1試料において、0.1M程度のTiC細繊維が絡み合ったフェルト状の興味深い組織が得られ、その細繊維間の微小空間に金属粒子を保持しやすい構造であると考えられるため、金属粒子を分散させる担体として期待を抱かせるものであった。 そこで、この担体において、PtおよびNiを担持し、分散度を評価した。Ptでは、H_2PbCl_6の含浸により、7%の担持量でも0.6の高分散値が得られ、H_2中500℃まで安定であったが、O_2中では400℃でTiCの酸化とそれに伴うPtのシンタリングがみられた。これに対し、Ni(NO_3)_2およびNiCl_2を含浸して得た5〜23%担持のNi/TiC Cでは、分散度は0.01以下となり、初期の目標には程遠い。含浸法による分散度制御の最も重要な因子として、担体に対する金属塩の吸着の強度があると考えられるので、Ptの場合を参考とし、Ni^<+2>陽イオンの代わりに 〔Ni(CN)_4〕^<-2>陰イオンを用いて、同様の検討を行なった。その結果、5%担持のNi/TiCで、分散度は0.04に改善され、H_2中500℃まで安定であることが分かった。Ptに比べて依然として低分散であるが、一般にNiの高分散化は困難であるという化学常識に立てば、上の結果は一先ずの目標に近づいたものといえる。 TiCの外に、湿式法によるWCおよびMo_2C被覆についても検討し、所期の試料を得ることに成功したが、金属担体としての検討は今後の課題である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Toshio,Uchijima: Proceedings of Third China-Japan-US Symposium on Catalysis(Xiamen,China). 1. 56 (1987)
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[Publications] 内島俊雄: 日本化学会誌. 1989. (1989)