1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550592
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
小倉 興太郎 山口大学, 工学部, 教授 (40035077)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 勉 山口大学, 工学部, 講師 (00172510)
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Keywords | 一酸化炭素 / 二酸化炭素 / 接触電気化学的還元 / メタノール |
Research Abstract |
COおよびCO_2は広範なC_1化学の出発物質として注目されているが, 科学的不活性さのために有機化合物に転換するためには高温・高圧の条件を必要とする. したがってCOとCO_2の転化反応に多大のエネルギーを要し, またC_1化学への適用を困難なものにしている. しかしながら当研究室における研究によればCOおよびCO_2は常温・常圧で接触電気化学的に還元できることが明らかになった. 本研究の目的はこの還元機構を詳細に検討することである. この転換プロセスはCO, CO_2の還元とメディエータとして作用する固相金属錯体の酸化から成るレドックス反応である. 固相金属錯体の再生は電気エネルギーによる再還元によって行なわれた. このレドックス反応が進行するためには均一系触媒の存在が不可欠である. 均一系触媒の役割, 触媒の特性と配位化学の関連を明らかにし, 反応機構の解明を行った. 本年度の研究結果は次の(1)と(2)であり, (3)は来年度の計画である. (1)常温・常圧におけるCOおよびCO_2の還元. 均一系触媒として金属錯体と第一アルコールより成る水溶液系を用いた. 固相金属錯体としてはIベリット塩を用いた. この反応系によってCOおよびCO_2はほぼ100%の電流効率でメタノールに還元することができた. (2)赤外, ^<13>C-NMRによる反応中間体の測定. 電解前・後の溶液の^<13>C-NMRスペクトルを測定したところ^<13>CH_3OHとH^<13>COOHが検出された. また, 赤外吸収スペクトルの結果もギ酸メチルの存在を示唆した. このことからCOとCO_2の接触電気化学還元において中間体としてギ酸メチルを経由することが明らかになった. (3)質量分析による反応中間体の測定. ^<13>CO_2を含む溶液の電解後の溶液を気化して質量分析を行い, 同位体分布を測定する. この結果にもとずいて詳細な機構を検討する.
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[Publications] Kotaro Ogura: J. Electrochem. Soc.134. 2749-2754 (1987)
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[Publications] Kotaro Ogura: Electrochimica Acta. 32. 1191-1195 (1987)
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[Publications] Kotaro Ogura: J. Mol. Catal.41. 303-311 (1987)
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[Publications] Kotaro Ogura: J. Chem. Soc., Dalton Trans.1377-1380 (1987)
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[Publications] Tsutomu Nagaoka: J. Chem. Soc., Faraday Trans. I. 83. 1823-1833 (1987)
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[Publications] Kotaro Ogura: J. Mol. Catal.,.