1987 Fiscal Year Annual Research Report
ジアルキル多環芳香族炭素化水素の製造法に関する研究
Project/Area Number |
62550602
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
大沼 浩 秋田大学, 鉱山学部, 教授 (50005279)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
進藤 隆世志 秋田大学, 鉱山学部, 助手 (50162798)
大嶋 洋三 秋田大学, 鉱山学部, 助教授 (70006659)
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Keywords | ジイソプロピルナフタレン / イソプロピル化 / チオ尿素付加物 |
Research Abstract |
1.ナフタレンのイソプロピル化反応 プロピレン, 塩化イソプロピルおよび1,3,5-トリイソプロピルベンゼンの3種のアルキル化剤を用い, 無水塩化アルミニウム触媒の存在下, 0〜60°Cで反応を行った. いずれのアルキル化剤を使用した場合もナフタレンからイソプロピルナフタレンを経てジイソプロピルナフタレンを生成する逐次反応であるが, プロピレンの場合にはd-置換体が選択的に生成するのに対し, 1,3,5-トリイソプロピルベンゼンの場合にはB-置換体が優先的に生成する. したがって2,6-ジイソプロピルナフタレンの生成には, 1,3,5-トリイソプロピルベンゼンを使用するのが最も効果的であった. さらに生成物分布に及ぼす反応温度や反応時間の影響についても明らかにした. 2.ジイソプロピルナフタレン異性体中の2,6-体の分離 チオ尿素付加物生成反応を利用して, 2-体を約50%含む異性体混合物からその分離を試み, 純度95%の2,6-体を収率80%で得た. さらに再付加により純度99%以上の2,6-体を全収率70%で得た. なお, この際チオ尿素を固体状態で用いると, メタノール溶液として用いた場合に比べ付加物生成速度は低下するものの, 溶媒量を大幅に減少できること, また付加物から2,6-体を回収するための付加物分解剤としてトルエンまたはチオ尿素水溶液のいずれを使用しても容易に2,6-体を回収し得ることなどを明らかにした. 3.ジイソプロピルナフタレン異性体の相互変換(異性化) ジイソプロピルナフタレン異性体の相互変換を無水塩化アルミニウム触媒の存在下で行った. 2,6-体および2,7-体の生成が最も有利であるが, 不均化反応が併発することが明らかとなった. 不均化反応を抑え異性化反応のみを進行させる方途について検討している.
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