1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550615
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
南 亨 九州工業大学, 工学部, 教授 (10029134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 雅彦 九州工業大学, 工学部, 助教授 (30158117)
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Keywords | α-ホスホノ-γ-ラクトン誘導体 / α-メチレン-γ-ラクトン誘導体 / フルラノリドの全合成 / 生理活性化合物 |
Research Abstract |
含酸素ヘテロ環化合物の一種であるα-メチレンγ-ラクトン関連化合物は生理活性作用を示すなどの観点から、その簡便な合成法の開発は極めて重要な研究課題である。本年度はこの見地から、α-メチレン-γ-ラクトン骨格を有する縮環化合物の一般的合成法の開発と生理活性作用を有する天然物の合成への応用を行った。 (1)α-ホスホノ-γ-ラクトン誘導体の一般合成法の開発 ホスホノ酢酸と鎖状および環状アリリックブロミドより、高収率でα-ホスホノ-γ、δ-不飽和カルボン酸を高収率で得た。このカルボン酸をヨードラクトン化およびセレノラクトン化を行うことにより、相当するヨードおよびセレノ単環または縮環α-ホスホノ-γ-ラクトンが高収率で得られた。このヨードおよびセレノラクトンを還元することにより、目的とするα-ホスホノ-γ-ラクトンの一般合成法の開発に成功した。 (2)α-メチレン-γ-ラクトン誘導体の一般合成法の開発 上で得たα-ホスホノ-γ-ラクトンと水素化ナトリウムより調製したα-ホスホノカルバニオンとパラホルムアルデヒドとのWittig反応を行うことにより、良好な収率で簡便にα-メチレン-γ-ラクトン誘導体が得られることを見出した。 (3)フルラノリド全合成への応用 2-ブロモ-8、10-ジメチル-1(9)-オクタリンを用い、上記(1)の操作を行うことにより、縮環α-ホスホノ-γ-ラクトンおよび-δ-ラクトンの混合物を得た。その混合物を上記(2)の操作を行うことにより、フルラノリドとその異性体のα-メチレン-δ-ラクトン誘導体を22%および72%収率で得た。 以上のごとく種々のα-メチレン-γ-ラクトン誘導体の簡便な一般合成法の確立に成功した。また本手法はα-メチレン-γ-ラクトン骨格を有する複雑なセスキテルペンの合成にも適用出来ることを明らかにした。
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