1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550617
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
松村 秀一 慶應義塾大学, 理工学部応用化学科, 助教授 (30051874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 貞雄 慶應義塾大学, 理工学部応用化学科, 教授 (70010759)
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Keywords | 酵素反応 / ガラクトースオキシダーゼ / 選択的脱水素 / 選択的酸化 / ウロン酸 / 非天然糖 / オリゴ糖 / L糖 |
Research Abstract |
ガラクトースオキシダーゼによるメチル D-ガラクトピラノシド(1__〜)及びキシリトール(2__〜)の脱水素反応について詳細な検討を行い, 1__〜よりメチル D-ガラクトピラノシドウロン酸(3__〜)が, 又2__〜よりL-キシロース(4__〜)かほぼ100%の転化率で生成することを見い出した. ガラクトースオキシダーゼとしてDactylium dendroides起源のものを用い, 酵素反応は試験管に50mMリン酸緩衝液(pH=7)3ml, 基質0.15mmol, カタラーゼ 6000ユニット及びガラクトースオキシダーゼ25ユニットをはかり取り, 酸素雰囲気中又は空気中で30°C, 暗所にて振とうした. 生成物の分析及び転化率の測定はHPLCにより行い, 分子構造の確認は^<13>C NMRによった. 1__〜にガラクトースオキシダーゼを作用させた場合, 約8時間で100%相当するアルデヒド体に変換され, この時点よりウロン酸(3__〜)の生成が認められ, ついでアルデヒド体の減少とともに3__〜が増加し, α体では約2週間で100%3__〜に変換された. α体とβ体を比較すると, アルデヒド体生成には両者の差異は認められなかったが, 3__〜への変換過程ではα体の方がβ体る比べて早かった. 2__〜の場合は, 生成した直鎖状アルデヒド体は直ちに閉環することにより4__〜となり, さらに反応を続けても1__〜の場合の様なウロン酸の生成は認められなかった. 酸素雰囲気中の方が空気中よりも転化率の向上が見られ, かつ反応速度の増加が認められた. 又, フエリシアン化カリウムの極数量(5μmcl/l)の添加によりさらに反応速度は増加し, 酸素雰囲気中の場合には約6日間で添加率100%で4__〜が得られた. さらにラクトース, メリビオース, ラフィノース, ガラクタンなどの多糖に本酵素を作用させた場合も同様に, ガラクトース残基の5位のヒドロキシメチル基が担当するカルボン酸に変換された.
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