1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550618
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
好野 則夫 東京理科大学, 工学部・工業化学科, 講師 (50084380)
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Keywords | フッ素系オイル磁性流体 / 有機金属化合物 / カップリング剤 / フッ素系界面活性剤 / マグネタイト / フッ素系オイル / メタルフルオロアルコキシド |
Research Abstract |
1.本研究は新しい分野を開拓するものであり、基礎的な部分を解決しておく意味から、62年度はTiを中心金属とする種々のフルオロアルコキシドを合成し、されらの性質(沸点、融点、会合度、加水分解性、IRおよびNMRスペクトルなど)を把握した。本年度は、Siを中心元素に有するフルオロアルコキシドを合成しそれらの性質を把握した。 2.すでに、Rとしてブチル基、R'として末端H型フルオロアルコキル基〔(H(CF_2CF_2)_2-、H(CF_2CF_2)_3-など〕を用いたチタンカップリング剤、(RO)Ti(OCOR')_3〕を合成したので、さらに末端CF_3型であるC_8F_<17>-CH_2-、C_8F_<17>-などの基を有するカップリング剤を合成中である。 3.中心元素としてSiを有し、R'として上記フルオロアルコキル基を有するフッ素系シランカップリング剤(CH_3)_2Si(OCOR')_2の合成を試み、成功した。NMR測定結果からも目的物と固定された。 4.上記(2,3)で得られた合成物の加水分解性し磁性粒子(Fe_3O_4など)へのカップリング性能評価は現在進行中である。 5.カップリング剤の性能向上にはベースポリマーと相互作用を大きくする必要があり、フルオロアルコキル基として、よりバルキーな基を導入させる目的で、新しいフッ素系界面活性剤、RfOCOCH_2CH(SO_3Na)COORf、を合成した。本界面活性剤を用いてマグネタイトの表面処理をしたところ、市販のフッ素系アニオン界面活性剤に比べ、表面所得能力が高く、処理された表面は水の接触角が105°であり、また、ESCA測定の結果マグネタイト表面近傍ではFe_3O_4分子3個当り2個の本活性剤が吸着していた。 6.炭化水素系チタンカップリング剤により処理されたマグネタイトは平均粒径60A^^0の超微粒子として溶媒中に安定分散することが判明した。 7.得られたフッ素系カップリング剤ならびに新規合成されたフッ素系界面活性剤を用いて表面処理されたマグネタイトのフッ素系オイルへの分散性の検討は始まったところである。
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