1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550623
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 史衛 東京工業大学, 工学部, 助教授 (50016606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 雄一 東京工業大学, 工学部, 助手 (90153650)
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Keywords | 1, 2不斉誘導反応 / 不斉エポキシ化反応 / 1, 2-ジオール / β-アミノアルコール / β-ハロゲノアルコール / α-アミノアルデヒド / α-アミノケトン |
Research Abstract |
vic-ジオール, β-アミノアルコール, β-ハロゲノアルコール等, 隣接した炭素上に水酸気とヘテロ原子団が存在する骨格は天然物中に多く見られ, またこれらの化合物は合成中間体として大変有用である. 本研究は, これらの化合物の一般的合成法を確立する目的でカルボニル基のα位にヘテロ原子団を有する光学活性カルボニル化合物と有機金属化合物との付加反応を検討し, 高立体選択性の発現する系を見い出すことにある. 本年度は以下の点を明らかにした. 1.光学活性なβ-アミノアルコールの合成原料となる光学活性なα-アミノアルデヒドの合成に成功した. すなわち, アリルアルコールの不斉エポキシ化反応(^tBuOOCH, Ti(O^iPr)_4, L-(+)-DIPT)で得られるエポキシアルコール(光学純度95%ee以上)にTi(O^iPr)_4存在下, 第二級アミンを反応させると位置選択的にエポキシドの開環がおこり, 3-アミノー1, 2-ジオールが生成した. このジオールを酸化的に切断して, α-アミノアルデヒドを収率よく合成した. なお, アリルアルコールの不斉エポキシ化反応の際, 酒石酸エステルのD体あるいはL体を用いることにより, 目的のα-アミノアルデヒドの両鏡像体が合成できた. 2.上で合成したα-アミノアルデヒドにグリニャール試薬を反応させると高立体選択性(>ZO:1)でsyn型付加物が合成できることを見い出した. さらに, このsyn型化合物を酸化して得られるα-アミノケトン化合物をNaBH_4を用いて還元するとanti型付加物が>ZO:1の立体選択性で得られた. 次年度以降は, 本年度の成果を基にしてエフェドリン, コンヒドリンなどのアルカロイドの合成を行なう. また, α-アルコキシアルデヒド, α-ハロゲノアルデヒドの合成法を確立し, このものと有機金属化合物との立体選択的な付加反応の条件を見い出す.
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Research Products
(1 results)