1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550644
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
荒井 健一郎 群馬大学, 工学部, 助教授 (50008455)
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Keywords | 13-テトラデセン酸ナトリウム / スルホン化ポリウンデセン酸 / ミセル / UV光照射 / 重合 / 重合度 / 会合度 / 触媒活性 |
Research Abstract |
本研究ではミセルを形成している状態での、UV光照射による両親媒性化合物の重合と、得られた重合体の諸特性を検討している。本年度は主として末端に二重結合を持つ13-テトラデセン酸ナトリウム(TANa)の合成とその重合特性、およびスルホン化ポリウンデセン酸(SP-UANa)の触媒活性を検討した。 (1)アリルリチウムを10-ブロモウンデカン酸エチルと反応させて13-テトラデセン酸エチルを合成し、これをケン化することによりTANaを得た。TANa水溶液の電導度の濃度に対するプロットでは0.021および0.066mol/l付近に折れ点が認められ、これらの濃度をそれぞれプリCMCおよびCMCと推定した。UV光照射下のTANaの重合では、プリCMC以下の濃度では重合体が得られず、それ以上の濃度で得られる重合体の収量はTANa濃度の増加に従って徐々に増加し、さらにCMC以上の濃度では急速に増加することを認めた。これはミセルの形成によって重合が促進される結果と考えられる。得られた重合体の重合度は、重合系中のTANa濃度にほとんど関係なく、20±4であり、この値は浸透圧測定デ-タのコンピュ-タ解析により得られたTANaミセルの会合度の推定値とほぼ一致した。これは一つのミセル会合体が一つの重合体になることを示唆していると考えられる。 (2)ポリ(ウンデセン酸)を無水硫酸を用いてスルホン化してSP-UANaを調製し、その酢酸P-ニトロフェニルの加水分解に対する触媒活性を調べ、ウンデセン酸のスルホン化物(S-UANa)の触媒活性と比較した。その結果、SP-UANaがS-UANaよりやや高い触媒活性を示すことを認め、これはSP-UANaがS-UANaより高い疎水性を有し、そのため酢酸P-ニトロフェニルに対してより大きい相互作用を持つことに由来すると推定した。
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[Publications] Kenichiro Arai: "Polymerization of sodium 10-undecenoate under irradiation with UV light" Die Makromolekulare Chemie. 188. 2511-2516 (1987)
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[Publications] Kenichiro Arai: "Behavior of poly(sodium 10-undecenoate)as surfactant" Die Makromolekulare Chemie,Rapid Communications. 8. 563-567 (1987)
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[Publications] Kenichiro Arai: "Polymerization of micelles under irradiation with UV light" Macromolecular Symposia.
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[Publications] Kenichiro Arai: "Preparation and polymerization of sodium 13-tetra-decenoate under irradiation with UV light"
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[Publications] Kenichiro Arai: "Catalytic activity of sulfonated poly(10-undecenoic acid)"