1987 Fiscal Year Annual Research Report
ポリホスファゼン誘導体の相転移と分子運動に関する研究
Project/Area Number |
62550649
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
守屋 慶一 岐阜大学, 工学部, 助手 (40174461)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 紳一 岐阜大学, 工学部, 教授 (70021607)
|
Keywords | 高分子液晶 / 誘電測定 / ポリホスファゼン |
Research Abstract |
1.側鎖としてR=-OCH_2CF_3(PtFEP), JAO1KA 【*KA*】 (PmMPP)及びJAO2KA 【*KA*】 (PpCIPP)の3種のベンゼン誘導体を含むポリホスファゼン[R_2PN]を合成し誘電及びDSC測定等により相転移及び分子運動を検討した. 誘電測定の結果これ等3種のポリホスファゼンには共通にβ緩和が室温以下に見出された. β緩和の活性化エンタルピーは約200kJmol^<-1>と大きくオンサーガーの式から求めた双極子モーメントの大きさは3種のポリホスファゼンに対し約6Dである. またβ緩和がDSCより求めたガラス転移の直上に存在することからこの緩和は側鎖を含む主鎖のミクロブラウニアン運動の凍結に起因するものである. さらにPtFEPにはγ緩和が見出されその活性化エンタルピーは30kJmol^<-1>と小さく-OCH_2JAo4.KA 【*KA*】 CH_3(PpMPP)及び-OCH_2 【*KA*】 JAo4.KACl(PpClPP))を合成しその分子運動と相転移を誘電測定及びDSC測定等により検討した. GPC測定より求めたポリホスファゼンの分子量は約50000, 分子量分布は約Mw/Mn=4であった. 誘電測定の結果PBPとPpMPPにはβ緩和が見出された. これはDSCにより検出されたガラス転移の高温側により主鎖の分子運動の凍結に起因するものである. またこれ等3種のポリホスファゼンにはいずれもγ緩和が見出されたがこの緩和の活性化エンタルピーは約30kJmol〓でありPtFEPのγ緩和とほぼ等しく側鎖の局所的分子運動に起因するものである. これはCH_2基の導入により側鎖の柔軟性が増大したためであると考えられる. 3.側鎖に-S 【*KA*】 JAo5KA誘導体を有するポリホスファゼンの合成を試みた. ^<31>PNMRにより反応を追跡した結果約1週間で85%の側鎖の置換が最高であった. 更に合成溶媒にTHF以外のものを用いて検討を重ねる意図である.
|
Research Products
(1 results)