1987 Fiscal Year Annual Research Report
アニオンリビング非重合法による構造の規制された反応性高分子の合成
Project/Area Number |
62550665
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
竹中 克彦 東京工業大学, 工学部, 助手 (30188205)
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Keywords | アニオンリビング重合 / 保護基 / 反応性高分子 / 脱保護 |
Research Abstract |
本年度中に合成, 重合を行ったモノマーI〜IVについてその結果をまとめる. 分子内にエステル基を有するスチレン誘導体I, IIのアニオン重複においては, エステル部分の立体障害, 重合温度及び時間, 対カチオン等とモノマーの重合性の違いについて考察した. その結果, 条件を選ぶことにより, モノマーIからは, 安定なリビングポリマーが生成することが分かった. この場合, 対カチオンの効果は著しく, 対カチオンとしてカリウムを用いた場合は設計通りの分子量を持つポリマーを得ることが出来たが, リチウムの場合は全く重合物が得られなかった. また, 重合温度-95°Cならば長時間放置後も活性末端アニオンは安定に存在するが, -78°Cではその安定性は低く, 重合時間数分でも失活ののために生成ポリマーの分子量分布が広がる傾向が観察された. 一方, 分子内に電子吸引性のエステル基を有するためにモノマーのアニオン重合性そのものは高く, スチレン誘導対であるにもかかわらずMMAのリビングポリマーからも重合が開始可能であった. 分子内のホルミル基, 水酸基をアセタール結合で保護した1,3-ブタジエン誘導体III, IVの重合ではTHF中, 対カチオンとしてナトリウム, カリウムを用い, 重合温度を-78°Cにすれば安定なリビングポリマーが生成し, スチレンやイソプレン等とのブロック共重合をも可能であった. 得られたポリマーからの保護基の除去はジオキサン中, 酸触媒を用いて行うことが出来たが, 分子内にホルミル基を有するポリマーの場合は, 反応中にゲル化が起こり易く今後更に検討が必要である. ポリマーのミクロ構造は, 3,4-構造が主であり, 同条件下で重合したイソプレンの場合と大差無かった.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 石曽根隆: 高分子学会予稿集. 36. 253 (1987)
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[Publications] 竹中克彦: 高分子学会予稿集. 36. 254 (1987)
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[Publications] 石曽根隆: 高分子学会予稿集. 36. 1448-1450 (1987)
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[Publications] 竹中克彦: 高分子学会予稿集. 36. 1451-1453 (1987)