1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550674
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
入江 正浩 大阪大学, 産業科学研究所, 助教授 (30001986)
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Keywords | 高分子ゲル / ポリアクリルアミド / 光応答性高分子 / アクチュエーター |
Research Abstract |
トタフェニルメタンのロイコシアミドを含む棒状ポリアクリルアミドゲル(25mm, 2mmφ)を作成し, 平衡平板電極に対し平行に電極と接触させないように置き, 光および電場を同時に与えその変形応答挙動を測定した. この棒状ゲルは, 電場下光を照射すると速い速度で屈曲運動し, また交番電場を印加すると振動運動することが認められた. 暗黒中では変形しない. 機構を明らかにする目的で, 電界強度依存性, 塩添加効果を検討した. 電界強度を上げると屈曲速度はそれにつれて増大し, 30V/cmではゲル先端は1mm/secで移動した. 電界強度を下げた場合, 0.5V/cmにおいても変形することが認められた. NaCl等の塩添加により屈局速度は著しく加速された. 10^<-3>Mの添加により塩無添加系と比較して, 20倍以上加速され10V/cmの電場下において先端移動速度2mm/secが得られた. この変形に正負いずれのリオンが関与しているかを, 塩の種類を変えて検討した. n-ヘキサンスルフォン酸ナトリウムとテトラーn-ブチルアンモニウムクロリドとを比較した. n-ヘキサンスルフォン酸ナトリウムの場合は, NaCl添加と同様の加速効果が認められたが, タトラーn-ブチルアンモニウムクロリドを添加した際には, 大きな加速効果は認められなかった. この結果は, カチオンの移動度が変形速度に関与していることを示唆している. 電極反応によるpHの影響を, pH指示薬を添加して検討したが, 変形とは直接関係ないことが明らかになった. 以上の結果から, 光・電場の相乗効果による変形は, 光イオン化により生じたゲルRのイオンが電場により分極することが変形の駆動力となっていると結論された.
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Research Products
(7 results)
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[Publications] M. Irie: ACS symposium Series. 358. 107-122 (1987)
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[Publications] M. Irie;R. Iga: Makromol. Chem. Rapid Commun.8. 569-572 (1987)
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[Publications] M. Irie: Makromol. Chem. Rapid Commun.8. 607-610 (1987)
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[Publications] D. Kungwatchakun;M. Irie: Polym. J.20. (1988)
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[Publications] D. Kungwatchakun;M. Irie: Makromol. Chem. Rapid Commun.9. (1988)
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[Publications] S. Irie;K. Oka;M. Irie: Macromolewles. 21. 110-112 (1988)
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[Publications] M. Irie: ""Functional Monomers and Polymers"-Photoresponsive Polymers" Marcel Dekker Inc, New York., 555 (1987)