1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550677
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
栗田 恵輔 成蹊大学, 工学部, 教授 (30102180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 義之 成蹊大学, 工学部, 助手 (00162090)
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Keywords | トレハロース / ジアミノトレハロース / キトビオース / キトサン / 直接重付加反応 / ポリ尿素 / ジアミノ酸 / 糖質高分子 |
Research Abstract |
(1) モノマーの合成:トレハロースを出発原料として, その6,6´位をトシル化したのち, 残りの水素基をアセチル化した. 次にアジ化ナトリウムで6,6´位をアジド化し, エステル交換反応によって脱アセチルした. 最後にPd/Cを触媒とした触媒還元により6,6´-ジアミノー6,6´-ジデオキシトレハロースを合成した. このジデオキシトレハロースはエタノール/アンモニア水から再結晶することにより, 遊離のジアミンとして単離することに成功した. 反応条件の検討の結果, 第1段階目のトシル化の選択性は低かったが, 第2〜5段階目の反応は高収率で進めることができた. このため, 5段階の糖の反応であるにもかかわらず, オーバーオールの収率は約16%と比較的高いものであり, 効率的な合成法が確立できた. 元素分析, 熱重量分析の結果より, ジアミノトレハロースは一水塩として結晶化していることがわかった. キトビオースは, キトサンの塩酸加水分析で調整した. キトサンを塩酸中で加熱したのち, 加水分解生成物をH+タイプ陽イオン交換樹脂を用いたカラムクロマトグラフィーによって二量体であるキトビオースの塩酸塩を分取した. 再沈澱精製を行い, 白色粉末状で得られた. この加水分解はランダムに起こり, しかも分取が有意でないために収率は高くない. 5gのキトサンから0.2〜0.35gの塩素塩が得られている. (2)重合反応:上記のジアミノトレハロースをジアミンモノマーとして用いた重合反応として, まずジイソシアナートとの直接重付加反応を行った. 重合用溶媒, 温度などの条件を変えて, 現在重合挙動を詳細に検討中であるが, 溶媒としてDMSOを用いると対数粘度0.3〜0.5dl/g程度の比較的高重合度のポリ尿素が得られることが判明した. キトビオースをジアミンモノマーとして重合させる可能性も含めて, 重合反応の検討が進行中である.
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Research Products
(1 results)