1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550677
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
栗田 恵輔 成蹊大学, 工学部, 教授 (30102180)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 義之 成蹊大学, 工学部, 助手 (00162090)
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Keywords | トレハロース / キトビオース / ジアミノ糖 / キトサン / 糖質高分子 / ポリ尿素 / ポリアミド / 膜透過機能 |
Research Abstract |
ジアミノ二糖をモノマーとして用いる重合によって主鎖中に二糖ユニットを含む糖質高分子を合成し、その膜による分離機能を検討することを目的として研究を進め、以下のようにほぼ所期の目的を達成できた。 1.ジアミノ二糖の調製:トレハロースを出発原料とする5段階の反応によりジアミノトレハロースを合成した。また、キトビオースはキトサンの塩酸加水分解物を陽イオン交換樹脂を充填したカラムに通して分離した。加水分解およびカラムクロマトグラフィーの条件を詳細に検討し、効率的な調製法を確立した。 2.糖質高分子の合成:ジアミノトレハロースおよびキトビオースと各種のジイソシアナートとの重付加反応を行った。重合条件を検討した結果、ジアミノトレハロースからは対数粘度〜0.56dl/gの、また、キトビオースからは〜0.25dl/gのポリ尿素を得ることができた。次に、ジカルボン酸クロリドとの縮合重合を行い、それぞれ〜0.48、〜0.26dl/gのポリアミドを合成した。いずれのポリマーも予期した通り、すぐれた溶解性を示した。特にポリアミドの溶解性は高く、水にも溶解することから水溶性糖質高分子としての利用が期待できる。 3.膜透過機能:ジアミノトレハロースから得られたポリ尿素を製膜し、尿素および食塩の透過速度を測定した。膜を1組のセルに挟み、25℃での透過性から膜分離機能を評価した。その結果、尿素に対しては0.4〜0.5×10^<-7>、食塩に対しては0.08×10^<-7>程度の透過係数が得られ、セルロース透析膜に比較的近い値を示すことを見いだした。また。膜強度を上げるためにポリアクリロニトリルとのブレンド膜も調製したが、透過係数はいく分低下する傾向が認められた。さらに高分子量で強度の高い膜を調製することが今後の課題であり、それにより化学修飾の容易な糖質高分子を用いた透析膜の開発が期待される。
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[Publications] 栗田恵輔,小山義之: 成蹊大学工学報告. 45. 58-58 (1988)
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[Publications] K.Kurita;K.Murakami;N.Kato;Y.Koyama: Macromolecules.
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[Publications] K.Kurita;K.Katsuya;K.Murakami;M.Kato;Y.Koyama: Polym.J.