1987 Fiscal Year Final Research Report Summary
Project/Area Number |
62550680
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
高分子合成
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Research Institution | Miyagi National College of Technology |
Principal Investigator |
小野 尭之 宮城工業高等専門学校, 一般科目, 教授 (30005342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹野 浩一 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (50042247)
松浦 真 宮城工業高等専門学校, 基礎専門科目, 教授 (40042262)
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Project Period (FY) |
1987
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Keywords | 開環重合 / 無機粉体 / 環状モノマー / マイクロカプセル化 / 6-ナイロン / ストロンチウムフェライト / プラスチック磁石 |
Research Abstract |
セラミックスや顔料などの無機粉体表面をビニル重合反応を用いて有機ポリマーで均一にマイクロカプセル化して種々の機能を有する複合材料を得る試みが研究代表者らによって初めて行われ, 多大な成果が得られている. 一方, これらのカプセル化ポリマーの耐熱性などがさらに要求される場合も多く, 環状モノマー等の重合によるカプセル化の検討が強く要望されている. 本研究では無機粉体としてクレー, セリサイトの粘土鉱物, フェライト系磁性粉体, 酸化チタン, 硫化亜鉛の顔料, 蛍光粉体を選び, これらの存在下でε-カプロラクタム, ω-ラウロラクタムなどのラクタム類, β-プロピオラクトン, δ-バレロラクトンなどのラクトン類, トリオキサン, テトラオキサンなどの環状ホルマールの開環重合を不活性ガス雰囲気中, 各種触媒, 助触媒を加えて行った. 開環重合したポリマーが粉体をカプセル化しない場合も認められたが粉体表面の官能基, 電荷などを考慮して重合条件を選択するとほとんどの無機粉体表面がポリマーで均一にマイクロカプセル化されることが判明した. このうち開環重合性が比較的大きなε-カプロラクタムを用いてストロンチウムフェライト粉体存在下の開環重合を詳細に検討した. その結果, ジフェニルエーテルなどの溶媒中に粉体を分散させてNaHなどの塩基性触媒, 少量のクラウンエーテルを加え20〜280°Cで数時間, 開環重合を行うと粉体表面に6-ナイロンが均一にマイクロカプセル化し, その重合機構, カプセル化機構についても一部明らかにすることができた. この複合体を「加熱ローラー延伸器」で直接ロール配向して磁化し, 「試験片抜器」で磁気特性評価試料を得た. その結果, 従来のフェライト系プラスチック磁石に比し, 6-ナイロン量がかなり少なくても成形加工性が良く, 最大エネルギー積が2.0MGOeを超える値を容易に得ることができた. 現在, 希土類磁石その他の粉体への応用研究を鋭意進めている.
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