1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550691
|
Research Institution | Toyama University |
Principal Investigator |
宮下 尚 富山大学, 工学部, 教授 (80019166)
|
Keywords | 乱流促進体 / 伝熱 / 伝熱促進 / 熱交換器 / 電極反応 / 乱流強度 |
Research Abstract |
前年度は可視化可能な伝熱促進実験装置の作製から手がけ、乱流促進体の形状を2種変え、その設置条件及び装置定数を数種パラメーターとして伝熱促進の実験的研究を行った。実験はフェリ-フェロシアン化カリの酸化還元による電極反応を用いた物質移動実験であり、促進体のない場合の物質移動係数と促進体設置のそれとの比で表わし、アナロジーから伝熱促進の度合いを調べた。伝熱促進のメカニズムを究明する目的で、アルミトレーサー法による流れの可視化により流れの挙動を定性的に調べた。 本年度は、定量的な実験として速度分布、せん断応力分布および乱流強度分布を実測し、可視化による流れ挙動と対比させて、伝熱促進機構の究明を行なった。 その結果、乱流促進体の種類およびその配置形状によって流れ挙動や速度分布が異なるが、一般的に伝熱促進は、促進体が壁に密着している場合、流れが促進体上部からの剥離によって壁面に再付着した時の乱れに起因して促進される。促進体と壁面間にクリアランスがある場合は、クリアランスの大きさによって流れ挙動は当然変化するが、促進体直下の少し下流側と、促進体長さの3〜7倍の範囲の所で伝熱促進が見られる。これら2ケ所の促進のメカニズムは、乱流強度分布およびせん断応力分布との対比から、促進体直下での促進は噴流によって境膜が薄くなることに起因し、促進体間の伝熱促進は液の攪乱による乱れが主として起因していることがわかった。 また、省エネルギー(高性能化)の観点から、装置設計上問題となる液体摩擦損失を実測し、伝熱促進と対比させて性能評価をも試みた。
|