1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62550706
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
東谷 公 九州工業大学, 工学部, 教授 (10039133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鹿毛 明子 九州工業大学, 工学部, 助手 (60093960)
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Keywords | 超微粒子 / 凝集 / 分散 / 特異吸着 / フロック / 凝集速度 / 小角光散乱法 / コロイド |
Research Abstract |
液相中のナノメーターオーダーの超微粒子凝集・安定性を知るために、その凝集速度を測定し、超微粒子の凝集が、ミクロンオーダーの粒子の凝集をよく表すとされているDLVO理論、スモルコフスキー理論で推定可能かどうかを検討した。用いた超微粒子は、昨年度と同様、シリカ粒子、ジルコニア粒子、ポリスチレンラテックス粒子の5nmから200nmまでの12種類の粒子である。凝集速度は、昨年同様ストップトフロー法により、超微粒子コロイド水溶液と電解質またはpH水溶液を混合し、その散乱の経時変化を小角光散乱法にて測定し、算出される凝集速度定数により評価した。今年度は、水和エンタルピーの異なる10種類の電解質を用い、凝集速度の電解質の種類、濃度依存性を検討するとともに、高分子凝集剤のサイズ効果も検討し、次の結果を得た。 1.粒径が100nmでは凝集速度は電解質の種類には依存しないが、それ以下になると、陽イオンの場合には水和エンタルピーの増加とともに減少し、陰イオンの場合にはエンタルピーとともに増加する。 2.電解質を限界凝集濃度以上に添加した場合、200nmの粒子の場合は理論的に予測される通り、電解質濃度に依らずほぼ一定の凝集速度を示す。しかし、38nmの粒子の場合は電解質濃度とともに凝集速度が減少する。 3.これらの結果は、粒径が100nm以下の粒子の場合は粒子表面イオンの吸着層厚さが凝集速度、安定性に影響することを示唆し、従来のDLVO理論やスモルコフスキー理論では予測できないことを示す。 4.高分子凝集剤による凝集の場合は、粒径、高分子分子量によらず、粒径に対する高分子サイズの比の増加とともに大きくなり、これは凝集半径が増加したことに依ると解釈出来ることが明らかになった。
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