1987 Fiscal Year Annual Research Report
鉄鉱石・低品位石炭混合物のスチームとの反応による低温製鉄プロセスの開発
Project/Area Number |
62550715
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
笠岡 成光 岡山大学, 工学部, 教授 (10032921)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 祐作 岡山大学, 工学部, 助教授 (70032951)
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Keywords | 鉄鉱石 / ヘマタイト / マグネタイト / 直接還元法 / 金属鉄 / 石炭ガス化 / リクナイト / 褐炭 / キルン型反応器 |
Research Abstract |
鉄鉱石の高炉還元技術は完成度の高いものであるが, 高温操作を必要とし, 熱源及び還元剤として用いるコークスも, 主に強粘結性の瀝青炭に限られ, 資源や価格の面で制約を受けつつある. したがって, コークス以外の劣質燃料資源による鉄鉱石の直接還元技術の確立は, 単に本邦にとってのみならず重要な命題であり, 種々のプロセスが模索されている. 本研究は石炭のスチームによるガス化と, 生成するH2とCOによる鉄鉱石の還元を一段で行わんとするものであり, 石炭は資源的に豊富でかつ廉価な一般炭や褐炭などの低炭化黒炭の有効利用を目標としている. 実験装置の基本的な構成は石炭ガス化と鉄鉱石還元の両反応を単独にまた同時に行うことのできるステンレス製反応管〔直管型(長さ670mm×内径20mm)と双こぶ型(長さ700mm×内径2040mm)〕を備えた連続流通・回転式固-気反応器(最高1000°C)と出口ガス組成の経時変化測定用高速ガスクロマトグラフを組み合わせたものと, 回転式反応器に替って急速加熱路を備えた流通式熱天秤反応器(最高1400°C)を組み合わせたものとの2系列である. 本年度はオーストラリア産Henatite鉄鉱石(a-Fe_2O_3)のNewmanH.A(全鉄量61.5%, FeO0.14%)と, スチームガス化活性の大きいことを確かめたオーストラリア産褐炭のYallourn炭(C:61.2〔wt%;daf〕;Ash:0.7〔wt%:db〕)との組み合わせについて主として検討した. いずれも平均粒径1.0mmの鉄鉱石と石炭(あるいは熱分解チャー)を重量比1:1で機械的に混合した試料に対し, スチーム(4.2〜7.2)-N_2混合ガスにより, 鉄鉱石の回分還元を試みた結果, 850°CではHematite鉄鉱石はFeOまでした還元されないが, 900°Cにおいてはスチーム濃度4.2%で石炭のガス化と鉄鉱石の金属鉄への完全還元が達成されることを見いだした. 石炭種を変えて, またMagnetite鉄鉱石(Fe_3O_4)の還元に対しても, 石炭/鉄鉱石/スチーム比などの最適操作条件の探索実験を進めている.
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