1987 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質ポリマーを骨格とする, 超薄膜被覆マイクロカプセルの合成とその性質
Project/Area Number |
62550717
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
幡手 泰雄 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (00038051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 芳三 鹿児島大学, 工学部, 助手 (60160222)
碇 醇 鹿児島大学, 工学部, 教授 (30041502)
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Keywords | マイクロカプセル製造 / in situ重合 / 透過係数 |
Research Abstract |
スチレンーイソオクタンージビニルベンゼンー水系のin situ重合によるイソオクタンを芯物質とするマイクロカプセル製造につき次の実験結果を得た. 1.〔研究1〕3〜10μmマイクロカプセルの製造:スチレンモノマーを含む有機相を水相中に, ホモジナイザーを用いてPVAを分散安定剤として分散し, 所定の液滴径を持つ分散液滴群を調整した. 80°C, 約100rpmの撹拌速度で重合を完結させ, 3〜10μmのマイクロカプセルを得た. これらマイクロカプセルの粒径分布に及ぼす操作条件の影響について検討し, (1)ホモジナイザーの回転数は液滴調製に極めて大きな影響を及ぼすが, その操作時間は10分間以上では余り影響がない事, (2)分散安定剤PVA濃度も液滴調製に大きな影響を及ぼし, PVA濃度が大きくなる程, 液滴は小さくなり安定度が良くなる事, (3)モノマー濃度も液滴径に影響を与え, モノマー濃度が高い程液滴径が小さくなる事, 及び(4)分散相分率, 架橋剤濃度及び界面活性剤濃度の影響はほとんど認められない事を明らかにした. 2.〔研究2〕60-250μmマイクロカプセルの製造:〔研究1〕とほぼ同様の手法であるが, この場合には撹拌槽反応器中で液滴を調製し, そのまま重合を完結させた. これらマイクロカプセルの粒径分布, 膜厚及び膜透過係数に及ぼす操作条件の影響について検討し, 粒子径に関しては撹拌速度が最も大きな操作因子であり, 膜の物性に関してはモノマー濃度が最も大きな操作因子である事を明らかにした. 特に, 膜透過係数の測定値は膜厚が大きくなる程単純に小さくなるのではなく, ある膜厚の時に極小値をとる事がわかった. これは, マイクロカプセルの芯物質の状態に差があるために生じるもので, 膜が薄い場合は単核構造のマイクロカプセルであったものが, ある膜厚以上では多核マイクロカプセルになるためである.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] HATATE, YASUO: Journal of Chemical Engineering of Japan. 20. 96-98 (1987)
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[Publications] HATATE, YASUO: Journal of Chemical Engineering of Japan. 20. 644-646 (1987)