1988 Fiscal Year Annual Research Report
多孔質ポリマーを骨格とする超薄膜被覆マイクロカプセルの合成とその性質
Project/Area Number |
62550717
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
幡手 泰雄 鹿児島大学, 工学部, 教授 (00038051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 芳三 鹿児島大学, 工学部, 講師 (60160222)
碇 醇 鹿児島工業高等専門学校, 校長 (30041502)
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Keywords | マイクロカプセル / 芯物質 / スチレン / 架橋性高分子 / 粒子径分布 |
Research Abstract |
芯物質を水とする単核マイクロカプセルの製造を目ざして、2種類の方法を検討した。 研究I W/O/Wの有機相として単量体を用い、in situ重合を合わせることにより芯物質を水とするマイクロカプセルを得ようとするものである。まず、過酸化ラウロイル、ジビニルベンゼン、SPAN80及びスチレン(合成ゴム5wt%含有)中に水を注入攪拌して、W/Oエマルションを調製した。このW/Oエマルションを、ポリビニルアルコール水溶液が入っている攪拌下の反応器に徐々に流し込み、(W/O)/Wエマルションを調製した。反応温度75℃で重合を行い、マイクロカプセルを得た。種々の操作条件における生成マイクロカプセルの粒子径分布及び芯物質(水)の透過の程度を測定し、以下の結果を得た。1.本研究で得られたマイクロカプセルは多核構造である。2.攪拌速度はマイクロカプセル平均径に極めて大きな影響を及ぼす。3.マイクロカプセルからのニッケルイオンの流出は、30分間は顕著であり、それ以後はわずかである。 研究II 界面重合と物理化学的マイクロカプセル調製の代表的方法である液中乾燥法を併用して、芯物質を水とする比較的粒子径の大きい単核のマイクロカプセルを得ようとするものである。まず、ポリスチレン、界面重合を行う油溶性モノマーアジポイルクロリドを溶かした有機溶媒ジクロロメタンを、水中に分散させた。次に界面重合を行う水溶性モノマーヘキサメチレンジアミンを添加し界面重合を行わせ、外皮膜を形成させ、さらに有機溶媒を蒸発させる事で、水を芯物質とする二重壁マイクロカプセルを調製した。種々の操作条件下で得られたマイクロカプセルの透過係数を検討し、以下の結果を得た。1.本研究で得られたマイクロカプセルは単核である。2.界面重合膜のみのカプセルに比べ、二重膜のカプセルの透過係数は小さくなる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 播手泰雄: 旭硝子工業技術奨励会研究報告. 52. 247-253 (1988)
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[Publications] 播手泰雄: 鹿児島大学工学部研究報告. 30. 165-170 (1988)
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[Publications] 播手泰雄: 北九州工業高等専門学校研究報告. 22. 75-79 (1989)