1988 Fiscal Year Annual Research Report
フリーラジカルビーム源の開発と反応散乱研究への応用
Project/Area Number |
62550718
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
田林 清彦 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助手 (70132727)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正畠 宏祐 岡崎国立共同研究機構, 分子科学研究所, 助教授 (60132726)
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Keywords | フリーラジカル / 分子線化学発光法 / マイクロ波放電 / 反応散乱 |
Research Abstract |
前年度において、マイクロ波放電を利用してフリーラジカル(活性種)ビーム源を開発し、その特性を調べた。このビーム源では原子性ラジカルが(0.1〜1eV)の範囲で高い強度で得られ、又その励起種についてもビームとしてとり出せることが解った。励起種は特に反応性が高く、ビームの応用研究の基礎、展開において重要であると考えられる。本年度ではこのビーム源を用い、交差分子線化学発光法の実験を行ない、主として以下の反応散乱研究を動力学的観点から推し進めた。 1. 希ガス励起種(Rg^*)の衝突によるシランの化学発光過程の研究 シランの解離過程の詳細はCVDプロセスの診断及び素反応動力学の立場から重要な研究課題である。ここでは希ガス励起種の衝突により誘起される解離性化学発光過程、SiH_4+Rg^*→SiH(A)+H_2+H_1、SiH┣D24+Rg┣D1*┫D1→Si┣D1*┫D1+2H┣D22┫D2 を発光プロフィルと断面種の測定により定量的に検討し、シランの励起と解離のメカニズムについて、電子衝撃、光励起の場合と比較対照してその特徴を論じた。この励起種の衝突ではシランは専ら三重頂状態に励起し、エネルギー移動の後、化学発光種を与えることが大きな特徴であることが解った。 2. 励起窒素原子N(^2D)の反応過程の研究 マイクロ波放電を用いたビーム源では、従来のアーク放電を利用したものとは異なり、比較的低い衝突エネルギー領域(0.1〜0.3eV)の反応研究が可能になる。N(^2D)のビームを用い、COSとの衝突反応N(^2D)+COS→NS(B^2TT)+COで得られる化学発光NS(B-X)を高エネルギー衝突で得られたものと結合して、この反応過程でなされる動力学的詳細について検討した。 3. 今後の展開 今後、継続的にシランの反応及び表面過程について検討する。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 田林清彦: J.Vac.Soc.Jpn.
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[Publications] K.Tabayashi.;K.Shobatake.: J.Chem.Phys.
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[Publications] K.Tabayashi.;K.Shobatake.: J.Chem.Phys.