1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62560002
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
喜多 富美治 北海道大学, 農学部・附属農場, 教授 (60001484)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前川 雅彦 北海道大学, 農学部・附属農場, 助手 (00142703)
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Keywords | スイートクローバ(melilstus) / 種間雑種 / 細胞遺伝 / 組織培養 |
Research Abstract |
スイートクローバの種間交雑育種で交雑に困難性を伴うことが多い. この問題を染色体工学的な手法で解決するための基礎資料を得ることが本研究の目的で以下の如く進行中であるが一部結果も得られつゝある. 1.ギムザ染色によるバンデングパターンを含む核型分析. 19種中6種の検査鏡を終ったが, metaphaseとPrometaphaseで明瞭な染色体像が得られた. 染色体のサイズに種間差が存在し, また各種の8対の染色体の識別はPronetaphaseの染色体でより可能と推測される. 2.種間雑種の細胞遺伝学的研究. M.altissimaを除くEumelilatus亜属8種間で, Malbaと同一染色体構造を持つM.officinalis, M.polonica, M.hirsuta, M.suavealensの4種間に同一起源のRTが, また同一染色体構造を持つM.dentata, M.taurica, M.wolgicaの3種との間に同一起源のRTが存在することが明らかになっている(SANO, KITA, 1975). しかしこの2個のRTが同一起源か否かについては, M.officinalisを含む4種とM.dentateを含む3種の間のF_1が葉緑素欠乏で枯死するため, 未だ不明である. この点を明らかにするため, M.albaとM.officinalis, を含むグループの4種との間で, 各種とも多くの系統を用いて計285組合せのF_1を作成した. これらのF_1にM.dentataを含むグループの3種を交雑して, そのF_1の染色体行動を検討し証明する. 材料は温室内で生育中である. なお, 一連の交雑実験によりM.officinalis P197-1×M.albaのF_1が得られた. 従来M.officinalis PI178985の系統のみが他種との交雑親和性が認められていたが, M.officinalis P197-1も交雑可能であることは新知見である. 3.組織培養. 染色体交換を行うための培養細胞の利用にあたって, Eumelilatus9種51系統はMicromelilatus3種17系統を培養し, カルス誘導とその生長の種間系統間差を明らかにし, 一部再分化を検討中である. 4.melilotus属の比較遺伝子学的研究の一部として, 19種の種子貯蔵蛋白の電気泳動を予備的に実施中である.
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