1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62560006
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
安田 昭三 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (60033106)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 二郎 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (30033111)
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Keywords | ヘテローシス / 優性短稈遺伝子 / 密穂製 / オオムギ / 生長解析 / 超優性 / 組合せ検定 |
Research Abstract |
本年度の研究実施計画にしたがって、以下の3種の研究を実施した。 1.F_1の稈長についてヘテローシスの発現しない遺伝子組合せを検索するため、予備実験の結果優性短稈遺伝子を持つと推定されたトルコ品種Malatya5を片親とした49交雑のF_1について、両親と共に秋播き栽培を行い、稈長についてヘテローシスの程度を調べた。一般に稈長についてはF_1で超優性を発現する例は多いが、Malatya5とのF_1雑種では大部分のF_1はBPとMPとの中間であった。特に片親が長稈であるにも拘らずF_1が120cm以上に伸長しなかったことは、今後のヘテローシス育種を考える場合興味深いことである。なお、Malatya5は短稈、極密穂であり、極密穂性を支配する遺伝子が稈長短縮に関与しているかどうかを調べた。その結果、ここで検出された優性極密穂遺伝子【_!D】は、稈長遺伝子とは別に短稈化にも影響を与えることが推測された。 2.今まで行ってきた研究で、収量に対してヘテローシスの発現の顕著であった北朝鮮の品種"勿禁"がどの程度多くの組合せでヘテローシスを発現するが、"勿禁"と日本及び朝鮮半島の品種とのF_150交雑について比較試験を行った。その結果日本の品種との間でヘテローシス発現の顕著な組合せが見出されたが、朝鮮半島の品種とのF_1ではヘテローシスはあまり顕著できなかった。 3.ヘテローシスの簡易判定のため、秋から冬にかけて戸外で育てた9交雑の両親とF_1の幼植物について生長解析を行った。RGRやNARについてはそれぞれヘテローシスを示す組合せが見出されたが、幼植物と成植物におけるヘテローシスの発現に関しては必ずしも両結果は一致しなかった。交雑数が少しきらいはあるが、秋播き栽培した大麦では幼穂分化前の生長から成植物のヘテローシスを推定することには多くの問題があるといえる。今後はさらに生育時期の進んだ幼植物検定の必要がある。
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[Publications] 安田昭三: 育種学雑誌別冊. 37(1). 296-297 (1987)
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[Publications] 安田昭三: 育種学雑誌別冊. 38(1). 326-327 (1988)
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[Publications] 安田昭三: 育種学雑誌別冊. 38(2). 286-287 (1988)