1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62560017
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古屋 忠彦 九州大学, 農学部, 助手 (30038327)
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Keywords | 差動変位計 / ダイズ / 茎径の膨縮 / 成熟不整合 / 膨縮の日変化 / 成熟整合 / 成熟異常 |
Research Abstract |
戸外で、成熟整合品種(成熟正常)のオリヒメと成熟不整合品種(成熟異常)の刈系73号を供試して、ダイズ茎径の長期連続計測を行った。その結果、子実肥大期、7月27日から8月10日までの期間、天候は晴または曇で、降水量もなく、土壌は乾燥傾向にあることから、ダイズの茎径は収縮に向かうのが普通と考えらる。しかし、成熟整合品種では茎径は収縮傾向を、成熟不整合品種(成熟異常)では膨張傾向を示した。成熟不整合品種において、膨張傾向を示したことは、植物体の内的要因生理的影響であると考えられる。この考えを支える要因として、この時期、オリヒメと刈系73号の茎の含水率と窒素含有率を調べたところ、茎の含水率にはほとんど違いはないが、窒素含有率に違いが認められた。これらの結果から、刈系73号、成熟不整合品種では、この子実肥大期、葉で光合成された養分の余剰部分が茎に蓄積されているように思われる。このような植物の内的差異が茎径の膨縮の差異に反映されたものと考えるのは妥当と思われる。 ダイズ茎径に日変化が生じるのは葉の蒸散および光合成が大きく関与していることから、葉からの蒸散を抑制するための適葉処理を、転流動質の移動を妨げるため摘莢処理をして、対照と比較することにより膨縮パターンの差について検討した。(品種はオリヒメ)その結果、摘葉処理の結果については、対照と同じように若干収縮したがその変動量は小さく、摘莢処理では、膨張し続けた。ダイズを全摘莢すると成熟不整合、成熟異常を呈することから、この膨張傾向は刈系73号のパターンと似かよっていた。このことからこの時期の茎径の膨縮から成熟整合か否かを判定することの可能性が示唆された。
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