1988 Fiscal Year Annual Research Report
オウトウわい性台木を目的とするサクラとオウトウの種間交雑
Project/Area Number |
62560020
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Research Institution | YAMAGATA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鈴木 洋 山形大学, 農学部, 助手 (20007222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
樋浦 巌 山形大学, 農学部, 教授 (70007045)
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Keywords | オウトウ / マメザクラ / 蛍光顕微鏡 / ホイルゲン |
Research Abstract |
今年度はオウトウとマメザクラの間にある種間交雑の不和合性について、その原因を解明しようとした。サトウニシキ×コマメザクラの正逆組合わせについて柱頭上、花柱内部の花粉管の伸長を観察した。蛍光顕微鏡を用い、水溶性アニリンブルーで染めグリセリンで封入して観察したところ花粉管はよく蛍光を発して光り、従来のラクモイド染色法よりよく見えた。マメザクラ×サトウニシキの組合わせでは花粉は柱頭近くで発芽はしても花柱の中へは殆ど入ってゆかない。これに反し、逆交雑では少し中まで延びるものもあった。染色体の観察は蛍光顕微鏡を用いる場合、当初予定していたキナクリン法はあまり発色が良くなくホイルゲン反応を利用したSHiffの試薬の方が赤橙の輝くような発色で見易かった。ナポレオン×コマメザクラのF_1の1つと用いて2n=〓の染色体数を確認し、両親と同じであることを見たが、他の組合わせについては確実に同定できるまでには至らなかった。F_1植物の確認はマメザクラ×シナミザクラ正逆交配のF_1が圃場にあるので過去3年にわたり圃場で切り戻しながら栽培し調査を行った結果を計算し生育の比較を行った。いくつかの例外もあるが、切り戻しに伴うシュートの伸びは調査期間3年という限られた範囲で見る限り令の進んだ個体ほど旺盛な伸びをましているが、茎の太さについてはあまり差がないばかりか、場合によっては後の年度の方がかえって生長低下している場合も認められた。また正逆組合わせ間で生長に差が見られ、マメザクラを母親とした場合のF_1植物よりはシナミザクラを母親としたF_1植物の方が生育は旺盛であった。大量のデータの整理はパソコン(NECPC9801LV)によって行った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 鈴木洋,石川貴之,樋浦巌: 山形農林学会報. 45. 9-18 (1988)
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[Publications] 鈴木洋: 育種学雑誌別冊1. 38. 296-297 (1988)