1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62560035
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Research Institution | Ishikawa Agricultural College |
Principal Investigator |
加納 恭卓 石川県農業短期大学, 農学科, 助教授 (80115823)
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Keywords | 源助ダイコン / 空洞発生 / オ-キシン処理 / 品種比較 / 根部肥大 / 木部柔細胞 / 道管配列 / 部位別糖含量 |
Research Abstract |
本年度は主として空洞発生と根部の道管配列との関係について調べた。はじめにオ-キシン処理時期の影響を調べた。播種より15日間おきに処理したところ、播種後15日目から30日目に処理した場合に根重が最も小さくなり、空洞が多発した。さらに、生育前半期と後半期にわけて処理したところ、前半期に処理した場合、根部肥大が抑制され空洞は多発した。この場合の道管配列を見てみると、対照区では疎であったが前半期に処理したものでは極めて蜜になっていた。このことは、木部柔細胞の分裂活性が低く道管相互の間隔が広がらないことを示している。また、根部の中央部と外側部の糖濃度の比較をしたところ、対照区も前期処理区も外側部の糖含量はほとんど変わらなかったが、前期処理区の中央部の糖含量は外側部に対して高く、中央部の肥大が抑制されていることがわかった。これらより、オ-キシンを生育前期に処理すると、根部の、特に中央部の肥大が抑制され、道管配列が蜜となり空洞が多発することが明らかとなった。 次に、源助ダイコンを含む空洞の発生しやすい品種と、しにくい品種を高地温下で栽培し比較した。発生しにくい品種では、根部肥大もあまり抑制されず道管配列も疎であったのに対し、発生しやすい品種では根部肥大が抑制され道管配列も蜜となった。これらより、空洞の発生しやすい品種は高地温下で根部肥大が強く抑制されることが明らかとなった。 以上より、根部中央部の道管配列が蜜になっているものは空洞が発生しやすいといえる。これは木部柔細胞の分裂活性が低いことを示し、生育初期に発生した破生間隙が柔細胞で充填されず、根部肥大とともにその間隙が空洞へと発達するものと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yasutaka Kano,Nobuyuki Fukuoka: "Relationship between the inereace of the root growth and the oecurrence of hollowness in the root in Japanese radish cv.Gensuke." J.Japan.Soc.Hort.Sei.
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[Publications] Yasutaka Kano: "Effect of root growth,especially of the control port of the root on the ocurrence of hollowness in Japanese radishes." Bull.Ishikawa Agr.Coll.19. 17-23 (1989)
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[Publications] Yasutaka Kano: "Development of hollowness in the root of Japanese radish,cv.Gensuke grown at different soil temperatures." Bull.Ishikawa Agr.Coll.19. 24-34 (1989)
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[Publications] Yasutaka Kano,Nobuyuki Fukuoka: "Relationship between the occurrence of hollowness and the root growth,endogenous cytokinin activity in the root of Japanese radisks under different soil temperatures." Bull.Ishikawa Agr.Coll. 19. 35-42 (1989)
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[Publications] 加納恭卓・福岡信之: "源助ダイコンの空洞症に関する研究(第9報)空洞発生の品種比較" 園芸学会雑誌・別冊1. 59(1). 340-341 (1990)
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[Publications] 加納恭卓・福岡信之: "源助ダイコンの空洞症に関する研究(第10報)オ-キシンの処理時期の影響" 園芸学会雑誌・別冊1. 59(1). 342-343 (1990)