1987 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物のアスコルビン酸酸化酵素の転写段階における銅イオンの役割
Project/Area Number |
62560063
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
関谷 次郎 岡山大学, 農学部, 助教授 (10035123)
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Keywords | アスコルビン酸酸化酵素 / 糖蛋白 / 銅蛋白 / 酵素精製 / キュウリ / アミノ酸配列 |
Research Abstract |
1.アスコルビン酸酸化酵素(以下AOD)にはアイソザイムが存在するが, CMセファデックス, ヒドロキシアパタイト, ゲルロ過, クロマトフォーカシングなどのカラムクトマトグラフィーを用いて主AOD酵素蛋白を迅速, 効率的に精製する方法を確立した. 本方法で収率10%, 精製倍率150倍, で比活性約1000ユニット(O_2吸収に基づいて)電気泳動的に単一な酵素標品を得ることができた. また, 本標品を用いてウサギより抗AOD抗体を作成した. 酵素抽出の材料は, キュウリ果実の果皮を用いた. 2.本酵素は分子量約140,000, 等電点8.3, SDS電気泳動で分子量70,000のサブユニットを検出し, AODがサブユニット構造をとることを新たに明らかにした. この結果, サブユニットのアミノ酸残基数は約650であり, 本蛋白をコードするm-RNAは約2Kbの長さであると考えられる. 3.本酵素標品は青色を呈し, 銅蛋白特有の600nmの吸収を示した. 銅は分子量140,000当り8原子含まれていた. また電気泳動後糖染色を行ったところAODは糖蛋白であることがわかった. 4.精製AOD標品を用いてアミノ酸配列の部分決定を行った. N末端はグリシンで, N未満から19番目まで配列が決定した. その中に2ケ所程AODのプローブ作製に適したアミノ酸配列があり, 現在オリゴヌクレオチドプローブの作成の準備を行っている. 5.今年度キュウリよりポリ(A)+-RNAを調整し, C-DNAライブラリーを作成する予定であったが, m-RNAの調整法の確立に手間どりC-DNAライブラリーを用いたAODの塩基配列の解析が行なえなかった. 現在C-DNAライブラリー作成中なので, 今後このライブラリーとプローブを用いてAODのC-DNAを取り出し, 塩基配列決定を行う. また第2年度の計画も準備ができ次第開始する予定である.
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