1988 Fiscal Year Annual Research Report
トウモロコシの花粉および柱頭中の機能性スフィンゴリン糖脂質の分離と構造解析
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62560068
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
大西 正男 帯広畜産大学, 畜産学部, 助教授 (90109520)
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Keywords | 植物スフィンゴ脂質 / スフィンゴリン脂質 / 糖脂質 / リン含有スフィンゴ脂質 / 花粉脂質 / 柱頭脂質 / フィトグリコリピド |
Research Abstract |
トウモロコシ花粉および柱頭から、ケイ酸カラムクロマトグラフィー、イオン交換カラムクロマトグラフィー、ゲルロ過などにより機能性オリゴ糖含有スフィンゴ脂質としてジグリコシル-、トリグリコシル-およびテトラグリコシルセラミドならびに4糖、5糖および10糖以上含有のセラミドリン酸イノシトール誘導体(スフィンゴリン糖脂質)を分離し、それらの科学組成を分析した。その概要は、以下の通りである。 中性および酸性オリゴ糖含有スフィンゴ脂質のセラミド残基の主要な構成分は、C_<20>、C_<22>およびC_<24>の2-ヒドロキシ酸ならびに4.8-スフィンガジエニンと4-ヒドロキシ-8-スフィンゲニンであった。中性スフィンゴ脂質群と酸性スフィンゴ脂質群のセラミド残基の組成は、それぞれ遊離セラミドおよびセレブロシドのそれらとは異なっていた。 花粉の中性オリゴ糖脂質群の糖鎮基の主要構造は、ジグリコシル型ではGlc(β1→4)-Glc(β1→1′)-,トリグリコシル型ではGlc(β1→4)-Glc(β1→4)-Glc(β1→1′)-とMan(β1→4)-Glc(β1-4)-Gcl(β1→1′)-およびテトラグリコシル型ではMan(β1→4)-Man(β1→4)-Glc(β1→4)-Glc(β1→1′)-とMan(β1→4)Glc(β1→4)-Glc(β1→4)-Glc(β1-1′)-とそれぞれ推定された。 また、柱頭の酸性スフィンゴ脂質群の糖鎮基の構成は、glucosaminosyl-glucuronosyl-(mannosyl)-inosityl-,(arabinosyl or galactosyl)-〔glucosaminosyl-glucuronosyl-(mannosyl)-inosityl〕-および(arabinosylgalactosyl)n-〔glucosaminosyl-glucuronosyl-(mannosyl)-inosityl〕-と考えられた。これらの詳細な糖鎮構造の解析は、現在進行中である。 今後、トウモロコシ柱頭から得られたアラビノシルガラクトシル残基を有する高分子性のスフィンゴリン脂質をマウスに免疫して抗フィトグリコリピド(スフィンゴリン糖脂質)抗体を作製する予定である。
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