1987 Fiscal Year Final Research Report Summary
細菌による糖密色素(メラノイジン)の脱色分解に関する基礎的研究
Project/Area Number |
62560093
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
発酵・醸造
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大桃 定洋 筑波大学, 応用生物化学系, 講師 (10015901)
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Project Period (FY) |
1987 – 1989
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Keywords | メラノイジン / メラノイジンの微生物的脱色 / 嫌気性細菌による脱色 |
Research Abstract |
嫌気的条件下でも強力なメラノイジン脱色能を持つ細菌として, Lactobacillus hilgardit W-NSを分離・同定しした. 本菌はブドウ糖1%存在下に糖密メラノイジンの約43%を, また, ブドウ糖-グリシン系メラノイジンの約70%を脱色した. 本菌の脱色活性はpH5.0で最大脱色率を与え, pH3.5およびpH7.0では最大脱色率の約1/2に低下した. また, 脱色活性には反応温度の上昇と共に増大し, 40°Cで最大脱色率を与え, 50°Cでは完全に失活した. なお, 本菌によって脱色されたメラノイジンの分子量分布は高分子量領域に傾斜し, 従来から知られるメラノイジン脱色微生物の示す挙動とは全く違っていた. 本菌のメラノイジン脱色活性は主として細胞内に分布し, トリス緩衝液(pH7.0)に懸濁して凍結した菌体をアルミナと共に磨砕することによって抽出することができた. しかし, アルミナ磨砕法によって調製した無細胞抽出液のメラノイジン脱色能は生細胞の示すそれの約1/3程度でしかなかった. また, 超音波細胞破壊法, ホモジナイザー細胞破壊法, グリシン自己溶壊法などの方法も試みたが, これらの方法では脱色活性を持つ無細胞抽出液を調製することは全くできなかった. アルミナ磨砕法によって調製した無細胞抽出液のメラノイジン脱色活性はpH4.5, 40°Cで最大値を示し, ブドウ糖-グリシン系メラノイジンに対して最も強力に作用した.
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