1988 Fiscal Year Annual Research Report
トウモロコシの内生ジベレリンに関する生理化学的研究
Project/Area Number |
62560119
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
室伏 旭 東京大学, 農学部, 助教授 (00011916)
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Keywords | トウモロコシ / ジベレリン / イムノアッセイ / 矮性 |
Research Abstract |
1.トウモロコシ「交7号」を栽培し、未熟種子を採取し、内生ジベレリンについて機器分析による同定を試みた。その結果、すでに同定されているジベレリンの他に、前年度はイムノアッセイで存在が示唆されていたGA_4,GA_<19>をCG/SIMによって確実に同定した。 2.純系の材料として、矮性型d_1と正常型トウモロコシを用い、絹糸が現れた時期に人工授粉し、未熟期から糊熟期に至る期間、1週間ごとに4回にわたって種子を採取した。対象とするジベレリンとして、生合成経路が異なり、かつ生理的役割が異なる可能性がある17-OHジベレリン(GA_1、GA_<20>)と、17-Hジベレリン(GA_4、GA_9)を選び、イムノアッセイで分析した。その結果、それらのジベレリンの量的変動についての知見が得られるとともに、矮性型と正常型におけるジベレリンの種類、レベルともに大きな差異はないことが明らかとなった。 3.正常型トウモロコシの未熟種子を、胚と胚乳に分離し、それぞれに含まれるジベレリンをイムノアッセイで分析した。その結果、活性型ジベレリンと考えられるGA_1は、胚の方により高濃度に含まれること、またGA_1の前駆体であるGA_<20>は、胚乳により高濃度に含まれることが示された。 4.トウモロコシ特有の雌しべ(絹糸)を採取し、内生ジベレリンの検索を行った。イムノアッセイによる分析の結果、GA_1、GA_3、GA_4が検出された。これらのうちで、GA_3が高等植物で検出されるのはまれであり、とくにイネ科植物ではほとんど例を見ない。そこで、確認のためGA/MSを行い、その存在を証明した。しかし、コンタミネーションの可能性を否定するための実験が必要であり、現在追試験中である。 5.矮性型と正常型のisogenic lineを作出するため、前年度につづいて、d1とd5を対象とし、それぞれ正常型のF3、F2を得た。
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