1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62560121
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
小林 彰夫 お茶の水女子大学, 家政学部, 教授 (40005591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 勝英 山形大学, 教育学部, 助教授 (20011968)
久保田 紀久枝 お茶の水女子大学, 家政学部, 助教授 (90008730)
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Keywords | モノテルペンアルコール / 配糖体 / グルコシダーゼ活性 |
Research Abstract |
茶香気成分の主体であるモノテルペンアルコールは, 茶葉中に配糖体として存在し, 製造茶工程中の核段階において, 葉中酵素による加水分解をうけて遊離するものとの仮説を説明するために以下の研究を行なった. (1)ゲラニオールグルコシドの合成 香気先駆体の配糖体モデルとして, ゲラニオールと1-ブロE-D-グルコースをKonig-Knorr反応により縮合させ, ゲラニオール1-β-D-グルコシドを好収量で得た. さらにこのものに, Lewis酸触媒の存在下アノマー化を行ない, 1-α-型グルコシドに変換させることに成功した. 各化合物の立体構造はH-NMRを主とする各種スペクトルで確認した. (2)茶葉アセトンパウダーの調製と酵素活性 茶葉粗酵素を得るため, 生葉より低温でアセトン処理し, アセトンパウダーを得ることが出来た. 一般のβ-glucosidase活性の測定法である, P-Nitro benzyl-β-D-glucosideにより測定した結果, アセトンパウダーに酵素活性の存在することを確認した. (3)茶葉中配糖体の分画 茶葉を直ちに蒸煮して酵素を不活性化した後, 熱水抽出物について, 遠心分離して上澄液を粗抽出液とし, さらに常法に従って, カラムクロマトグラフィーより配糖体画分を分画した. (4)合成品および天然抽出物よりのモノテルペンアルコール類の精製 (1)で得た合成品, (3)で得た粗抽出物について 水溶液をpH5に調整後, 市販β-グルコシダーゼおよび(2)で調製した粗酵素を用い, ガスクロマトグラフィーよりアルコールの精製を検討した. その結合, 合成品からはゲラニオール, 天然抽出物からはゲラニオールとともにリナロールが, いずれの酵素系によっても遊離して来ることが明らかとなった.
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