1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62560121
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Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
小林 彰夫 お茶の水女子大学, 家政学部, 教授 (40005591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 勝英 山形大学, 教育学部, 助教授 (20011968)
久保田 紀久枝 お茶の水女子大学, 家政学部, 助教授 (90008730)
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Keywords | 茶の香気 / ゲラニオール / ゲラニオール-β-グルコシド / β-グルコシダーゼ |
Research Abstract |
茶葉粗酵素中のβ-グルコシダーゼ活性を測定するため、茶生葉より26%の収率でアセトンパウダーを得た。これをクエン酸Naバッファーでホモゲナイズした後遠沈し、上澄部を得た。P-ニトロフェノール法により、酵素活性を測定したところ、0.8u/gであった。 茶香気成分の先駆体として、茶葉中のアルコール配糖体が、グルコシダーゼにより加水分解されることを証明するため、ヤブキタ種より製造された茎茶の熱水抽出物を減圧濃縮し、さらにペンタン抽出することにより、揮発性成分を完全に除いた。上で調整したアセトンパウダーを加え、37℃、1時間振とうした後食塩飽和として、エーテルで抽出した。エーテルを留去し、得られた有機成分を、ガスクロマトグラフィー(GC)、GC-質量分析法(MS)で分析し、新らたに生じた揮発成分の同定を試みた。その結果、リナロール、リナロールオキシド、ゲラニオールなどのモノテルペンアルコールとともに、茶香気の主成分である(Z)-3-ヘキセノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコールなどが、GC上認められ、茶粗酵素系による、不揮発性先駆体から各種アルコールの形成が明らかとなった。 モデル系として昨年度合成した、ゲラニオール-β-グルコシドを上と同様な条件下、アセトンパウダーと処理し、ペンタン抽出部についてGC、GC-MSで精査したところ、ゲラニオールと異性体のネロールが、約2:1で存在し、ゲラニオールのみで、添加した配糖体の7.1%、ネロールと合わせて10.6%が加水分解されたことになる。 以上の結果から、茶香気の特性を決めるテルペンアルコールは、不揮発性・水溶性の配糖体より、葉中のβ-グルコシダーゼによって形成されるという仮説を確かめることが出来た。
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Research Products
(1 results)