1988 Fiscal Year Annual Research Report
"食品糖質"素材の生産設計ー酵素機能の生物工学的局面
Project/Area Number |
62560127
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大西 正健 京都大学, 農学部, 助手 (90026576)
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Keywords | 食品糖質 / 酵素機能の応用 / 酵素の固定化 / 糖質関連酵素 / アミラーゼと糖質との相互作用 / 速度論的平衡論的解析 |
Research Abstract |
1.グルコースまたはグルコノラクトン共存系において、Asp.nigerグルコアミラーゼとマルトース及びイソマルトースとの相互作用をTrp残基に基づく蛍光を指標として観測し、その機構を平衡論的に解析した。その結果、グルコースはサブサイト2に、グルコノラクトンはサブサイト1に、それぞれ取り込まれ、すでに行ったRh.niveus酵素と同じ取り込み様式であることが知られた。しかし、イソマルトースが取り込まれても蛍光変化が観測されないことから、Asp酵素の活性部位構造は、Rh酵素のそれとは異なると考えられた。2.触媒反応に旋光度変化が伴うことに着目して、ザイロースイソメラーゼ活性測定法の開発を行い、これを用いて触媒反応を経時的に追跡し、eqグルコース、dーグルコース及びフラクトース各個について、速度論量を評価した。唯、βーグルコースは本酵素の基質にはならないことが見出された。一方、旋光ストップトフロー装置の製作(混合部と観測部)を行い、グルコースを試料として試験した結果、秒以下の速い旋光度変化を観測できることが確認され、本装置を用いて、酵素反応の遷移相速度論的実験ができる見通しを得た。3.細菌液化型αーアミラーゼの触媒作用様式(サブサイト構造)に着目すると、澱粉を基質として、オリゴ糖のみならずグルコースをも、かなりの速さで生成していくことがわかる。そこで、本酵素をホルミルセルロファイン担体に固定し、澱粉分解の経時変化を生酵素のそれと比較した結果、グルコースの生産には固定化するのが有利であることが知られた。また、反応生成物はαーグルコースであることから、ザイロースイソメラーゼによる異性化反応の基質になり、両酵素の共固定による澱粉から異性化液糖への一気生産体系が構築できる展望を得た。4.酵素反応の平衡論・速度論的解析に有用なソフトウエアーの開発を行った。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Ohnishi,M.: Carbohydr.Res.172. 164-169 (1988)
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[Publications] Ohnishi,M.: Arch.Biochem.Biophys.(1989)
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[Publications] Ohnishi,M.: Carbohydr.Res.(1989)
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[Publications] Ohnishi,M.: Carbohydr.Res.(1989)
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[Publications] Ohnishi,M.: Anal.Biochem.(1989)
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[Publications] Ohnishi,M.: Carbohydr.Res.(1989)
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[Publications] 大西正健: "酵素科学ー食品からのアプローチ" 啓学出版, 0-288 (1988)
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[Publications] 大西正健: "実験でみる生化学" 共立出版, 0-320 (1989)