1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62560133
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
桧作 進 鹿児島大学, 農学部, 教授 (90041590)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石畑 清武 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (10041633)
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Keywords | 澱粉 / アミロース / アミロペクチン / コメ / ヤマノイモ / クズイモ / ヒシ / 分子量分布 |
Research Abstract |
日本の未利用澱粉資源としては、休耕田に栽培されているヒシの実、東南アジアのものとしては、クズイモとヤマノイモを選択して、これらの澱粉の分子構造を詳細に検討し、特徴を明らかにした。これらの結果と代表研究者らのグループによって、最近明らかにされた他の澱粉についての知見を総合して、澱粉の諸性質間の関係を体系づけ、重要な知見を得た。ヒシの実の澱粉は、粒の結晶構造がA,B型のほぼ中間に位置するC型であった。アミロースは分子両分布が広く(重合度160-8090)、HPLCのゲル濾過で3つのピーク(重合度700,1850,6670)を示し、β-アミラーゼの分解限度が95%の高い値を与えることなど、特徴が見出された。 クズイモの澱粉も結晶構造がC型で、アミロース分子は非常に大きく、重合度分布の幅は1530-30000(頂点は10600)で、特徴的であった。アミロペクチンの数平均鎖長は19-20で、C型に相当する長さであった。 ヤマイモの澱粉は、指宿在来種(KaU18)、ジャワ原産(KaU09)、グアム原産(KaU14)の3種について詳細に検討した結果、3種とも類似した値を示し、ヤマノイモ澱粉の種の特性が明らかになった。アミロース分子の重合度分布は300-18000で、小分子のものが比較的多量存在すること、アミロペクチンの平均単位鎖長がジャガイモのものにより10%長いこと、などが特徴として見出された。 以上の新知見と8種のコメ澱粉、その他の澱粉についての知見から、アミロース分子の極限粘度は試料中の分岐分子の量に大きな影響をうけ、分子量が同じであれば、分岐分子の量と高い相関を示すこと、アミロペクチン分子のヨウ素結合量や極限粘土は超長鎖(重合度約1000)の量に比例することなどの新知見が得られた。また、アミロース標品中の僅かに分岐する分子を中間成分と呼ぶことを提唱した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Hizukuri.;Y.Takeda.;T.Shitazono.;J.Abe.;A.Suzuki.: Starch/Starke. 40. 165-171 (1988)
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[Publications] Susumu Hizukuri.;Yasuhito Takeda.;Nobuhisa Maruta.;Bienvenido O.Juliano.: Carbohydrate Research. (1989)