1987 Fiscal Year Final Research Report Summary
国・公有林野における「地元」関係の変化と地元政策のあり方に関する研究
Project/Area Number |
62560138
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林学
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Research Institution | Iwate University |
Principal Investigator |
船越 昭治 岩手大学, 農学部, 教授 (20003725)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 秀二 岩手大学, 農学部, 助手 (70133907)
村嶌 由直 岩手大学, 農学部, 助教授 (20012073)
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Project Period (FY) |
1987 – 1988
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Keywords | 地元政策 / 公的森林の管理 |
Research Abstract |
当初の研究計画に基づき, 地元利用関係の変化と地元政策のあり方を国有林, 県有林, 市町村有林の3種に分け林野庁, 全国公有林野協議会, 日本林業技術協会等において, 全国段階の実態について資料の収集を行った. 資料の分析結果から, 全般的な林業的利用の後退, レジャー・リゾート開発や農業的利用の進展にも拘らず, 地元の利用集団組織はそれほど解体, 再編がすすんでないという注目すべき事実が指摘された. 地元利用に関する実態調査は, 国有林野については岩手県安代町, 福島県古殿町, 都道府県有林野については長野県麻積村, 宮城県東和町をとりあげ実施した. 国有林野の所在市町村では伝統的な国有林保護組合, 共用林組合は実質的に解体に向っており, 部分林も新規設定は殆んどみられず, 組合にも具体的な活動はみられない. 近年ゴルフ場・スキー場など新しい開発資本の進出がみられ, これら外部資本の活動を媒介として新しい地元関係が形成されつつある. 農民層に関していえば, レジャー施設等と結びついた就労・産物供給・民宿への対応は中規模以上層を主体とし, 零細層は賃労働・長期出稼ぎへの結びつきを深めるという形で, ともに地元利用の直接的関係からの分離が進んでいる. 市町村有林野に関しては, 市町村の直轄強化と地元集団利用への分化傾向がみられる. 前者にあっては長野県麻積村のように, 村直営による別荘分譲など新しい土地利用への転換が進み, 林野利用を媒介とした地元利用が解体しつつあるものが多い. 後者は宮城県東和町にみられる展開であって, 地元集団が地上権設定によって権利を確保しつつ, 林業事業体として発展するというケースがみられる. 県有林にあっては稼用, 自家用材の結びつきが後退し, 主として就労面のそれに単純化しつつある.
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Research Products
(2 results)