1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62560140
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
真板 秀二 筑波大学, 農林工学系, 講師 (50015864)
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Keywords | 土砂移動 / 自己調整作用 / 渓床変動 / 土砂生産 |
Research Abstract |
1.大井川 (1)実験渓流観測区間の渓床変動の解析の結果、大規模堆積後の洗掘過程では、単位流量当りの渓床変動量(S(ct):単位渓流長当りの換算値)が、洪水時系列(tは発生序列、t=1,2,…)に沿って指数関数的に減少し(a)式のように表わされることが明らかになった。この減少のし方は谷幅と密接に関連し、狭さく部では急激に減少し拡幅部では徐々に減少する。この違いは、(a)式ではBの違いで表現される。S(t)=-αexp(-βt)……(a) (2)実験渓流の段丘解析と樹木年代学的手法による段丘形成年代の推定から、100年以内の時間スケールでの土砂移動現象を把握した。この結果、8208洪水の20数年前にも規模の大きな土砂移動の発生が認められた。 2.沙流川 (1)既存試料の解析から、地質、地形、気象、土砂流出の流域スケールでの特性を把握した。そして大井川流域との接峰面図、起伏量図の対比および雨量、流量の対比から流域スケールでの土砂の生産、流出が大井川の1/30〜1/10であることの説明を行った。 (2)調査流域の樹木年代学的な土砂移動調査と水害記録との対比から、1962、1966、1970、1973、1975、1981、1983年の土砂移動年代を抽出した。このうち1962年の土砂移動規模が最も大きく、その後の調査流域の土砂移動は、主としてこの時の堆積土砂の洗掘再移動と推定された。 3.大井川と沙流川との比較河川学的検討 大井川と沙流川との土砂移動を検討した結果、比較論的に割り切って表現すれば、大井川では山腹で現在的に生産された土砂が主体となって堆積地を形成し、それが洗掘再移動、堆積を繰り返している。これに対して沙流川では10┣^<3┫>オーダの時間スケールで形成された谷床堆積物が主体となって、それが洗掘再移動、堆積を繰り返している。
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Research Products
(2 results)