1988 Fiscal Year Final Research Report Summary
Project/Area Number |
62560141
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
林学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
南雲 秀次郎 東京大学, 農学部, 教授 (30023401)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 博一 東京大学, 農学部, 助手 (70174810)
箕輪 光博 東京大学, 農学部, 助教授 (60011996)
渡邊 定元 東京大学, 農学部, 教授 (30182918)
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Project Period (FY) |
1987 – 1988
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Keywords | 天然林 / 択伐林施業 / 直径分布 / 樹齢分布 / 直径遷移確率 / 空間分布 / 作業種 |
Research Abstract |
本研究は東京大学北海道演習林の天然林の林分構造とその成長過程を分析したものである。更にこの結果に基づいて同演習林の天然林施業を発展させるために、新しい天然林施業体系を構築することを終局的目的とした。 このために同演習林内のトドマツ主体の針広混交林に三ケ所の調査地を設定し毎木調査を行い、樹木位置図を作成した。また直径階別に合計70本の林木を伐倒して樹幹解析を行い、林木の配置と単木ごとの成長との関係について分析した。同時に、本調査では林木の生長解析に本演習林の106ケ所の固定試験地の資料も利用した。 一般に天然林では、林木はその初期において上木から被圧の影響を受けながら生長してゆく。ギャップなどの発生により生育環境が課員されると成長増大の時期を迎え、林木は急速に成長を続け上木層に達する。この過程には林木相互の位置関係により多様な変化が認められる。被圧期間が余り長期間続いた林木では生育環境が改善されてもその効果を充分に利用できず上木層に到達できないものある。また、一般に長い被圧に耐えることはできない。しかし成長増大期にはその成長は針葉樹に比較して一般に早い。直径と樹高では成長増大期における成長に微妙な差があり一般的には樹高成長の方がより鋭敏に環境に反応することが分かった。 天然林の直径分布は人工林の場合と比較して複雑な形が認められる。林木の成長経過および固定試験地の時系列資料を分析することによって、直径分布の形の形成には直径階ごとの成長速度が大きな影響を与えることがわかった。以上の分析結果と本演習林の森林施業実績記録を利用して、林型ごとの直径遷移確率計算の新方法を考えた。これらの成果に基づき天然林施業いをより集約かつ能率よく実施できる天然林施業のための意志決定支援システムを作成した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 平田泰夫雅: 第99回日本林学会大会論文集. 93-94 (1988)
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[Publications] 南雲秀次郎: 第100回日本林学会大会. (1989)
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[Publications] 山本博一: 第100回日本林学大会. (1989)
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[Publications] 南雲秀次郎: 東京大学農学部演習林報告.