Research Abstract |
本年度の研究実施計画に基づき, 国有林におけるヘリコプタ集材作業の実態を調査するとともに, 各種の作業条件に対応した本集材作業の作業能率(労働生産性と経済性)について検討した. なお, 調査場所については, 当初の研究実施計画では, 林野庁, 農林水産省林業試験場, および大阪・熊本各営林局管内の国有林としたが, 林野庁の多大の協力により, これら以外に北海道・旭川・北見・青森・秋田・前橋・東京・長野・名古屋・高知各営林(支)局管内の国有林においても調査を実施することができた. 調査資料を分析・検討した結果, 次の知見, 成果が得られた. 1.ヘリコプタ集材作業の目的は, 高品質材の効率的搬出と施業制限を伴う天然林択伐作業の搬出に集約でき, 集材木の樹種も天然スギ, 天然ヒノキ, ケヤキ等価値の高いものに限定されていることがわかった. 2.作業実施時期は, 伐木が9・10月, 集材が10・11月に集中しており, 伐木から集材までの期間は, おおむね1か月程度であった. 3.国有林における本作業方式のタイプは, 高海拔天然林・大径材・長距離集材型であり, 労働生産性は, 作業条件の影響をうけるが, ヘリコプタの機種, 集材木の樹種・大きさ, 作業区域の標高, 集材距離等の影響が大きく, 集材木の形態, 作業区域の林種等の影響は小さいことが確認された. 4.作業功程を指標とし, 作業条件因子を要因とする労働生産性の予測モデルを設計した. 5.ヘリコプタ型伐出作業の生産費単価に占める集材費単価の比率は, おおむね80%程度で, 生産費単価の主要部分を構成しており, 本作業の経済性の指標としての素材(丸太)の販売単価と生産費単価の比の平均値は, 4.84であることがわかった.
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