1988 Fiscal Year Annual Research Report
壁内結露防止のための木質系壁体の壁構成とその評価法に関する研究
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62560162
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
加藤 幸一 群馬大学, 教育学部, 助教授 (80126846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 政文 群馬大学, 教育学部, 教授 (50008116)
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Keywords | 結露 / 壁内結露 / 水分拡散係数 / 熱水分同時移動方程式 / 空気層 / 恒温恒湿槽 |
Research Abstract |
木質壁体の防露設計法の確立のために、前年度に引き続き、非線形の熱水分同時移動方程式の適応性の検討をするとともに、木質壁体の空気層のモデル化を試み、3層の壁体についても非線形方程式を適用した。壁体の結露実験もおこない、得られた結果は以下の通りである。 (1) 方程式に現れる諸係数のうち、温度勾配による水分拡散係数の値を、ベイツガ、ラワンなどについて測定した。測定値は含水率に対して正規分布曲線状に分布し、試験片の水分量が多くなるに従って、分布のピーク値は大きくなり、高含水率側にづれることが認められた。これらの値を用いて、非線形方程式を木材の乾燥過程、吸水過程、及び単層壁体に適用したところ、材料中の温度、含水率の計算値は実測値と比較的良く一致し、有効な計算法であることが認められた。 (2) 中空層を含めて3層の壁体の結露実験を継続しておこない、空気層の厚さは、壁体中の温度、含水率及び空気層の相対温度に対しては強い影響をもたないこと、低温側に断湿層をもたない外側開放型の壁体では条件によって、空気層及び材料中に水分の蓄積がみられるが、断湿層のある壁体に比べて少ないことなどが認められた。 (3) 空気層の熱、湿気伝達率等価モデルとともに、空気層の温湿度は流入、流出する熱、水分で定めるモデルを検討した。(1)で得られた係数を利用して、非線形の熱水分同時移動方程式を3層の壁体に適用した。温度、含水率の計算値は実測値に近い値を示した。しかし、中空層の相対湿度ではそれほど良い一致がみられなかった。以上から、さらに適切な中空層のモデル化は必要であるが、実用的な木質壁体の防露設計法として、本計算法は有効なものであると推定された。 (4) 前年度の恒湿槽を恒温恒湿槽に改良し、熱、水分の負荷が大きくなければ、塩の飽和水溶液を利用したものでも実用の可能性が認められた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] 上田政文,加藤幸一,平瀬志朗,原口正次,波多野仁: 日本産業技術教育学会誌.