1987 Fiscal Year Annual Research Report
シュードモナス属細菌の生産するリグニン分解酵素に関する研究
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62560164
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐分 義正 東京大学, 農学部, 助教授 (20011926)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鮫島 正浩 東京大学, 農学部, 助手 (30162530)
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Keywords | シュードモナス属細菌 / リグニンモデル分解酵素 / β-0-4エーテル結合 / ビフェニル結合 / MNNG処理変異株 / α-位脱水素酵素 |
Research Abstract |
1.リグニンモデル化合物であるフェルラ酸メチルエーテル(FAM), ベラトリルグリコールーβ-バニリン酸エーテル(VGVE), 5.5'-デヒドロジバニリン酸(DDVA)の分解機構を解明するためにMNNG処理により代謝系の一部が欠損した変異株を作製し, 各々の分解経路を推定した. 2.グァヤシルグリセロールーβ-グァヤシルエーテル(GGGE), フェルラ酸フェナシルエーテル(FAPE)を用いてβ-エーテル結合解裂酵素活性を調べた. 超音波処理等により粗酵素液を調製し, 化合物GGGE, FAPEの分解を調べたが, 活性は検出出来なかった. 補酵素, 金属, ビタミン類等を添加, 種々条件を検討したが活性は検出されなかった. スフェロプラスト調製後さらに粗膜小胞を調製し, 種々の条件下で検討したが, 同様に活性はなかった. 最後に, 浸透圧ショック処理によりShocked cellを調製し, エーテル結合解裂反応を測定した所, 生菌に比べて著しく活性が減少した. また, Shockedfluid単独中には解裂活性は全くなかったが, 上述のShocked cellにこのShockedfluidを加えることにより活性の回復が明らかに認められた. この様に, β-O-4エーテル結合の解裂は細胞内膜透過系が関与する複雑な機構が示唆された. なお, β-エーテル化合物を代謝させるとα位は脱水素された化合物が中間体としてしばしばみとめられ, 従ってこの脱水素反応はβ-エーテル解裂の前段階として重要なステップであると予想されたことから, α位脱水素酵素の検出, 精製を行った. このうちGGGEに特異性の高い酵素は電気泳動的に単一になるまで精製出来た. 3.DDVAを用いて, ビフェニル分解活性をしらべたが, DDVAの解裂活性は前述の粗酵素液中には検出できなかった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] M.SAMEJIMA: MOKUZAI GAKKAISHI. 33. 728-734 (1987)
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[Publications] M.SAMEJIMA: Cellulose Chemistry and Technology.
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[Publications] 羽生直人: 木材学会誌.