1987 Fiscal Year Annual Research Report
アコースティックインテンシティによる木工機械の騒音源の解析
Project/Area Number |
62560173
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
木村 志郎 名古屋大学, 農学部, 助教授 (30023443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
横地 秀行 名古屋大学, 農学部, 助手 (60124723)
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Keywords | 丸のこ / 空転 / アコースティックインテンシティ / 動的音源 / 空気力学的騒音源 / 金属音 / リング状音源 / ドップラー効果 |
Research Abstract |
本研究は先ず, 現有設備の2チャンネルFFTスペクトルアナライザおよびパーソナルコンピュータと今回の科学研究補助金により購入したアコースティックインテンシティ計測システムを用いてアコースティックインテンシティ測定システムを完成させることから始まった. すなわち2つのマイクロホンが計測した音圧を精密騒音計を介して2チャンネルFFTスペクトルアナライザに入力し, 2つの信号のクロススペクトル虚数部をGPIBインターフェイスを介してパーソナルコンピュータにデータ転送し, 演算するようにした. 次いで, 新しく完成されたアコースティックインテンシティ装置を用い, ある程度, 明らかにされてきた丸のこ空転時の金属音のきっかけとなる空気力学的騒音源の同定にとりかかった. 空気力学的騒音源に的を絞るため, ダンピングディスクを丸のこに貼付し, 丸のこ身の振動を抑制した. 丸のこ径305mm, 厚さ2mm, 歯数80の丸のこを3600rpmで運転し, 歯先周縁部において詳細なデータを得るために測定間隔5mmという細かさで, 回転方向, 直径方向, 丸のこ面に垂直方向と3方向について行なった. その結果, 音源は歯先先端から歯底附近の間に存在し, また垂直方向には丸のこ台金を中心に両側に約15〜20mmの幅を持って存在し, リング状であること, また, 音源の周波数分布はリング状騒音源が丸のこ周速とほぼ等しい速さで回転している動的音源のためドップラー効果により存在することなどかなりのところまで裏付けすることができた. しかし, 装置完成に手間どり切削時の騒音を測定するまでには到らなかった. 切削時の騒音については継続して行う.
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