1988 Fiscal Year Annual Research Report
奄美大島を含む南九州地域に生育する広葉樹材の有効利用に関する研究
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62560180
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
藤田 晋輔 鹿児島大学, 農学部, 助教授 (70032563)
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Keywords | 広葉樹 / 乾燥スケジュール / 接着剤 |
Research Abstract |
奄美大島を含む南九州地域は暖帯および亜熱帯地域に属し、ここには多くの有効な広葉樹が生育している。この地域の大部分の広葉樹は天然更新のしやすさから、主にパルプ原料に向けられてきた。今後はこの地域の未利用、用途未知の広葉樹は、造作用材、小細工用材として付加価値のある有効利用をはかる必要がある。本研究は以上の認識にもとづいていて、この地域に生育している多くの広葉樹材の材質特性を明らかにし、これらの樹種の乾燥法、加工法を明らかにし、最大限の有効利用をめざすこである。 本年度取り扱った広葉樹材は、イスノキおよびホルトノキであり、これの材質の特徴を調べた。また、前年度に材質の特徴を調べた11樹種の内、7樹種についての接着性能および4樹種の乾燥スケジュールを作成した。これらの実験結果の大要は次のとおりである。 (1)イスノキおよびホルトノキの材質は、既往のデータとほとんど変らない。 (2)接着性能は、取り扱った4接着剤(尿素樹脂、酢酸ビニルエマルジヨン、水性ビニルウレタンおよびレゾルシノール)はいずれも予想以上の接着力が得られた。木破率はいずれも100%を示した(常態接着力、耐温水接着力)。 (3)乾燥スケジュールについては、イジュ、タブノキ、アサグロおよびオキナワウラジロガシについて作成した。アサグロは非常に落ち込みやすい材であるが、他は内部割れおよび若干の落ち込みが認められたので、いずれの樹種も比較的低温、高温条件よりはじめた。未期温度は70〜80℃とした。加熱-真空乾燥(併用)は、計画どおりの成果が得られなかった。
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Research Products
(2 results)