1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62560188
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 譲 東京大学, 農学部, 助手 (40107412)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 牧人 東京大学, 農学部, 学術振興会特別研究員 (30183809)
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Keywords | 魚類 / 蛋白質 / 経口投与 / ホルモン / 成熟促進 / 血清療法 / 消化管 |
Research Abstract |
1.成熟したキンギョにサケ脳下垂体抽出液を経口的に消化管内に投与し, 経時的に採血し血中サケ生殖腺刺激ホルモン(GtH)量, テストステロン量をラジオイムノアッセイで測定し, さらに精液量の変化を調べた. 投与後サケGtH量の急速な増加が見られ, それに伴ないテストステロン量, 精液産生量の増加が認められたが, キンギョGtHの増加はなかった. このことからキンギョでは経口投与したGtHが活性を保ったまま血中に移行することが明らかとなった 2.1.と同様雌キンギョに対するサケ下垂体投与では排卵誘発が認められ, 経口法によるホルモン処理が可能なことが明らかとなった. 3.キンギョと異なり有胃で動物食であるカレイに対して同様の実験を試みたが, GtHの血中移行, 成熟促進効果は全く認められなかった. 4.キンギョに抗サケGtHウサギ血清を投与したところ, 血漿中に抗サケGtH活性が認められ, ウサギIgG活性の血中移行も明らかとなった. これにより血清療法への応用が期待される. 5.ニジマスに対して4と同様の実験を行なったが, 血中への移行は全く認められず, 有胃魚への経口法の適用には工夫が必要である. 6.蛋白吸収機構解明のため, 投与後消化管組織標本に対する免疫組織化学的染色(PAP法)を試みた. 1つのキンギョでは消化管全域で上皮細胞内に投与した蛋白が証明された. 5.のニジマスにおいても, 後部腸上皮細胞内に蛋白が認められた. 7.投与法改善の試みとして, 1.のキンギョで蛋白をポリアクリル酸ゲル化による投与を行なったが吸収促進効果はなかった. またカレイに対しても無効であった. 現在マイクロカプセル化したウサギIgG投与を検討中で, キンギョにおける血中移行は確認された.
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