1987 Fiscal Year Annual Research Report
モノクローナル抗体を用いたアユ血清中の免疫活性成分の分析に関する研究
Project/Area Number |
62560195
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
川合 研兒 高知大学, 農学部, 助教授 (60127925)
|
Keywords | モノクローナル抗体 / アユ / 血清成分 / 免疫 / ハイブリドーマ |
Research Abstract |
本研究は2年度にわたって, アユの血清成分に対する多種類のマウスモノクローナル抗体の作製, およびこれを用いた各成分の分析とアユ抗体の動態の分析を行う計画のものである. 本年度の研究計画のうちこれまでに実施したのは, 特定抗原によるアユの免疫, モノクローナル抗体検出システムの検討, およびアユ血清で免疫したマウスのリンパ球とミエローマ細胞とのハイブリドーマの作製である. アユの免疫には当初の計画では特定のハプテンを使用する予定であったが, 抗体価が十分に上昇しなかったため, 魚病細菌であるVibrio anguillavumから抽出したリポ多糖を用いて免疫を行い, 抗体価が十分に上昇したアユ血清を得た. マウスIg検出のための酵素標識抗体は, 市販のマウスIgで免疫したウサギ抗血清から精製したIgをペルオキシダーゼで標識して調製した. アユの各種血清成分に対するマウスIgの検出は〔アユの血清をスラブ電気泳動により泳動後, トランスブロットしたニトロセルロース膜〕-〔ハイブリドーマ培養液〕-〔標識ウサギIg〕の系により, また, アユ抗体に対するマウスIgの検出は〔抗V.anguillarumウサギIg〕-〔V.anguillarumリポ多糖〕-〔免疫アユ血清〕-〔ハイブリドーマ培養液〕-〔標識ウサギIg〕の系により行った. その結果, アユ抗体に対するモノクローナル抗体産生ハイブリドーマはまだ確立できていないが, その他のアユ血清成分に対する抗体産生ハイブリドーマを5種類分離することができ, 現在凍結保存している. これらのハイブリドーマ産生抗体の詳細な分析は63年度に行う予定である. アユ抗体に対するハイブリドーマの作製は現在継続しているが, 早期に確立して63年度に計画した研究に供試できるようにする予定である. また, その他のアユ血清成分に対するハイブリドーマもさらに多く作製する予定である.
|