1988 Fiscal Year Annual Research Report
魚類病原菌の遺伝子構造の解明と簡易迅速同定法の開発
Project/Area Number |
62560199
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Research Institution | Miyazaki University |
Principal Investigator |
青木 宙 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00051805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北尾 忠利 宮崎大学, 農学部, 教授 (60094075)
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Keywords | 魚類病原菌 / Pasteurella piscicida / 簡易同定法 / 特定遺伝子 / プローブ / ハイブリダイゼーション |
Research Abstract |
昨年度は魚類病原菌Pasteurella piscicidaおよびVidrio anguillarumより特定遺伝子を見付け、これをプローブとしたハイブリダイゼーション法による同定法を開発した。本年度はより実用化を目的として非放射線によるプローブの標識および病魚の臓器の血液を直接ニトロセルロースフィルターに塗沫し、プローブハイブリダイゼーション法で病原体の検出が可能かどうか試みた。1.P.piscicidaよりクローン化した特定遺伝子692bPDNA断片をPhotobiotinあるいは^<32>Pで標識し、dot blotハイブリダイゼーションを行ったところ、両標識プローブはP.piscicidaの染色体DNAとのみハイブリッドを形成し、相同性を示した。一方、他の魚類病原菌とは相同性を示さなかった。Photobiotinで標識したプローブは希釈したDNA溶液の3.9ng/blotの段階までハイブリットの形成が認められ、^<32>Pで標識したプローブとハイブリットの検出限界値と変わらなかった。2.ハマチの腎臓および脾臓の血液をニトロセルロールフィルターに直接塗沫し、^<32>Pで標識した692bPプローブDNAとハイブリダイゼーションを行ったところ、細菌性類結節症にかかった魚ではニトロセルロースフィルター上でハイブリッドの形成が認められた。対照として健康魚の臓器を塗沫したニトロセルロールフィルター上ではハイブリットの形成が認められなかった。この結果は同時に病魚あるいは健康魚より増菌培地に検出した結果と一致した。 以上、上述の魚類病原菌の特定遺伝子をPhotobiotinで標識を行い、プローブハイブリダイゼーションにより原因菌の検出が可能になったことより放射性同位元素と使用しなくても済み、今後この方法により菌の同定が広く行なわれるようになるだろう。さらに、病原より直接ニトロセルロースフィルターに塗沫し、病原菌の検出が可能になったことより、菌を培地で分離培養しなくても原因菌の検出が可能となった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Aoki.;I.Hirono.;T.D.Castro.;T.Kitano.: J.Applied Ichthyology. (1989)
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[Publications] Jiang Z.;T.Aoki.: Diseases of Aquatic Organisms.
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[Publications] I.Hirono.;T.Aoki.: Proceedings of 5th International symposium on Microbial Ecology.